走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

多種職との連携

2021年03月27日 | 仕事
先日のお勉強会は薬剤師の方々と。コミュニティーにおける薬剤師の役割。

皆さんは薬剤師の役割って何だと思いますか?お薬を調合する人?
上記の業務内容を英語でdispensary focused task と言います。最近はpharmacy assistant と言う職業もありアシスタントがそのような仕事をしてくれます。

お薬の説明をしてくれるのも薬剤師ですよね。カナダの薬剤師は医師のような処方権もあるので、アセスメント(ナースプラクティショナーがするようなベイツの教科書を一通り)もできます。ワクチンだってできます。で、このような内容をClinical focused task と呼びます。

前にも書いたように私は大型チェーン店のような薬局より小さな薬局を好んで使います。だって後者をきちんとしてくれるから。特に冒頭写真のような患者のベストなケアのために私と会話してくれる薬剤師が働いている場所を好みます。しかし薬は無料でないカナダ(収入が低ければ州が支払ってくれますが)。患者はどうしても手数料の低い薬局の利用(大型店)を好みます。

で、今回勉強会の講師をしていた薬剤師3人は後者の仕事を好んでする方たち。参加者の医師の方達からの質問で儲け主義の大型チェーン店で前者のタスクばかりする薬剤師を批判する声も上がりました。講師の1人が、会社のノルマ的なプレッシャーの下で働かなければならない薬剤師の気持ちを知って欲しいと言いました。

偉いねー。自分が重要だと思っている事とは違う事に重きを置く薬剤師を弁護する。なかなかできることではありません。同じカレッジ(しつこいけど大学と言う意味ではなく免許を管理する団体ね)で働く者として同僚を弁護する。これもプロフェッショナリズムだと思いました。NPもそうですよ。NP仲間だけでなく医療者全員の足を引っ張り合うような事は言わない。どんなに患者がそうだと言い張っても。医療はそれぞれのプロだけで行われているわけではありませんから。全ての医療者が協働しているのが医療。そしてその全ての医療職がプロとして社会に認められる為にも大事な事です。そしてこんなことも連携と言うんですよ。


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