走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

医師以外の処方権

2019年03月31日 | 仕事
カナダBC州でで薬を処方できるのはどんなプロフェッショナルでしょう?

医師、ナースプラクティショナー(NP)、一部の正看護師、助産師、ナチュラルパスドクター、そして薬剤師。

このように医師以外でも薬を処方する事ができるプロはいるわけです。目的は医療へのアクセスを向上するため。薬剤師は最近加わったばかりで、他のプロは自立して処方できるのとは対照的にコラボレートしながらの処方となっています。

例えば、糖尿病や高血圧の薬が切れるけれど、医師の予約はいっぱい。このままだと1ヶ月処方薬が受け取れない。こんな場合薬剤師は医師に連絡を入れ(ファックスで依頼が来る)、患者を診ずに処方を更新する事を願います。しかし医師がそれに対して返答をしない時、薬剤師として同じ薬を臨時処方する事が出来ます。

予防接種は医師やNP、保健所で保健師がするのが一般的でしたが、今は薬局でもできるようになりました。処方箋なしでガイドラインに沿って投与がその場でできます。最近は薬局の経営も多角化しました。服薬指導はもちろんのこと。家への薬の配達。服薬の確認(薬の飲み忘れを防ぐのに大活躍。毎日配達へ行きその場で服薬してもらう)、皮下や筋肉注射の施行、准看護師を雇い、配達のついでに血糖値計測、血圧測定、などもしてくれる。それを私たち処方者に報告してくれる。在宅ケアの一役をかっているのが薬局なのだ。

話は戻って、処方する事ができるプロの中に一部の看護師がある。以前にも書いたブログに載せた写真のCRNBC Certified の部分です(今は団体名はBCNNPに変わりました)。NP制度ができる前、4つの分野に限り処方ができる看護師制度をつくりました。それについて書いたブログはこちら

これらは全て国民の医療アクセスを考えて作られた制度。日本の厚労省での話し合いで、医療アクセスはどれぐらい話されているのでしょうか?

医療のアクセスってどういうことかわかりますか?先の例のように、受診までに1ヶ月もかかる状態はアクセスがあるとは言えません。そうなっては患者が困るからと日本では、医師の労働時間上限を1860時間に設定するのは本末転倒の良い例です。いったい日本のトップの人は何を考えているのでしょうか?


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