走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

使命の模索

2018年07月29日 | 仕事
先日の記事。なかなか人気があるようで何度も読まれています。使命を明確に、、、は簡単そうで実は難しいのです。参考になるように数日に分けて使命を見つけるステップについて触れたいきたいと思います。

私がNPコースへ編入した時、どんなNPになりたいか小論文にまとめなければなりませんでした。私が書いたことは日本人で日本語が話せるので、日本人コミュニティーで働くNPになりたいと書いていました。

さあ、私の思いはどうなったんでしょう?バンクーバーは世界で3番目に日本人が多く住んでいる都市です。しかし日本人コミュニティーは全くの需要なし。日本人は英語ができる移民者。識字率も高く教養もあり勤労で医療難民になる確率は他の移民に比べてだぜん低いのです。 このようにニーズが低ければ、自分がやってみたい!と思っても周りを納得させる見込みはない。

その一方、難民としてカナダへくる移民者が、英語も話せず、文化や法制度、はたまた医療制度の違いに馴染めず不健康になる事は注目されています。国を挙げてこの移行期が上手く行くようにサポートシステムにお金を投入しています。New Canadian Clinic と呼ばれる移民者を対象とした診療所でNPは活躍しています。生活習慣や言語などを包括して医療を行うのはNPが得意とするところだからです。

私は元々CNSを目指して大学院へ入り半分の課程が済んだ時点でNPコースへ編入した人間です。緩和ケアのCNSを目指していたので卒論も緩和ケア関連の題材を研究していました。セクシャルディスファンクション(性欲減退と性機能不能)と緩和ケアです。NPコースに変更した後もこの題材を続けたいと学部に言いました。しかし緩和ケアに対象を絞らずプライマリー全般で活かせるものにしなさいと言われ、行き着いたのがsexual dysfunction (sd) in men’s primary care です。SDを引き起こすのはガンの末期だけではなく色々な慢性期疾患でも起こっている事象でした。そしてメンズ ヘルスの権威の教授につくことになり、そこから一気にメンズヘルスへ興味を持つようになりました。

続く



松江城

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