諸行無常の響きあり

フィリピンの小さな焼き鳥居酒屋の親父のつぶやき

低く飛ぶ鳩

2011年09月08日 07時53分15秒 | つぶやき
先日昔からの知り合いの年配の日本語を話す女性にあった。彼女は日本に今から15年以上前にタレントして働きに行き、現在はカラオケ店のマネージャーをしている。彼女とは偶然に会うときもあれば、こちらから連絡を取る時もある。

先日彼女が店に来てしみじみと語っていた。

『私は日本にタレントとして行き、今の今迄同じような商売に関わっている。あんたはいいよ、知らぬ土地でこんな商売を始めて生活できているのだから、私は未だに人に使われる身、ここに居たらいつまでも同じだから、田舎に帰るわ・・・・』

実は彼女の抱えるKTVの女性達も知っている娘が多い。私が過去に飲食店を経営している際に何度も一緒に来ているからである。驚くのは今から10年以上も前から同じ顔ぶれも居るということである。当時は18~9歳としても、今はとうに30歳前後になっている筈、子供はいるが亭主は居ないという女性が大半だ。



彼女達を別に蔑んでみている訳ではない。しかしそうした暮らしぶりは彼女達自身が自分を分かっていないままに今の生活に追われ、そのまま年を取ってきたのだろう。うら若き青春時代に店に現れる男と擬似恋愛の末に妊娠、出産をする。そのまま同じことを繰り返し、同じ道に又戻っていく。

妊娠、出産時期は彼女達は一番つらい時期であろう。店にも出れず肝心の父親は自分の目の前から消えていなくなっている。一体どうやって生活をしているいたのだろう。何度か借金の申し込みもあったような気がするが、私自身もそんなに裕福な身ではなかったし、体良く断って来た。もっとも今でもそうではあるが、私は彼女達のことを『クラス・メイト』と表現する場合が多い。

同じ時代、同じ土地で知り合い、同じ様な生き方の共感なのだろうか・・・・・。その昔日本カラオケ店の店長をやっていた時期も私にはあったが、当時の店の娘達はいったい今は何をしているのだろう。私の知り合いのカラオケ店のママさんは昔のマニラのマビーニ全盛期も知っているだろうし、今でもその時代のことを思い出すだろう。

マグダレーナ、低く飛ぶ鳩と表現が適切かどうかは分からないが、私にとってはこのyoutubeの2曲は忘れもしない歌である。時にマグダレーナを地元のカラオケ店で唄うこともあるが、それを聞いた現在の店の娘達はどう感じるのであろう・・・。もっとも今でも店に出ている女たちは全く昔の時代と変わらない生活ぶりであることには違いないが・・・・・・。

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