やっパリ、メトロで。

パリ在住だったブログ主が語る、パリ・フランス、日本の交通系散歩日記。鉄分やや多め。

オリエント急行に触れる。アラブ世界研究所・オリエント急行展

2014-06-27 | 日記
パリ5区にあるアラブ世界研究所 (Institut du Monde Arabe : 以下 IMA)で、
4月4日より8月31日までオリエント急行の特別展 "Il était une fois l'Orient Express" が開かれています。

その名の通り、西欧から東欧、そして東方との架け橋になった名列車であり、
この研究所・博物館がこのようなテーマの展示を行うことには大きな意義がありますが、
それにしても本気度が違います。

SNCF(フランス国鉄)が協賛し、博物館前広場に車両を展示してしまいました。







12ユーロの券(前売り・当日もあり)で、館内展示以外に、客車3両の車内にも入れます。
あのオリエント急行にたった12ユーロで!!

世界各地の豪華列車の先駆けとなり、影響を与えてきた車両たちです。
もちろん、見に行きます。


古い車両ならではの美しい台車。


これが「北斗星」のJR北海道所属車についているエンブレムのもとになったものか!
日本の豪華寝台列車もオリエント急行を目指したもの。
特に「北斗星」と「トワイライトエクスプレス」は近年、
似たような、使い込まれた渋さがでてきました。
新幹線開業によって廃止とされているが、どうかふんばってほしい。


フランス製です。出入口のドア下に製造銘盤があります。

車両内には、学芸員(ガードマンか?)に導かれて、20人ぐらいずつの塊になって入っていきます。
3両編成の、真ん中の寝台車だけは撮影不可、両端の2両はフラッシュ撮影も可能です。


4159号車 サロン・食堂車「フレッシュ・ドール」(金の矢)


一両一両に名前がついているようです。
この車両は、朝食、昼食、夕食の会場になるだけでなく、食事時以外にはサロンカーともなっていたそうです。


ラリックのガラス窓が美しい。

1987年にレストアされているので、現役で本線を走ることが出来ます。
出入口なども、日本の寝台列車と同じような材質の建材でぎ装されていて、
近代的になっていました。
しかし、中身は...ホンモノの美しさです。「走る芸術品」の名は伊達ではありません。








サロン個室。


4160号車 バー車 「トラン・ブルー」










3両編成とは直角に、1両のレストラン車も置いてありますが、
こちらは予約制でディナーを味わえるそう。
コースは120ユーロと160ユーロの2種類で、8月2日までだそうです。

入ってみたい。


寝台車




写真に写すことの出来なかった寝台車ですが、
館内にレプリカが展示されています。
現代のヨーロッパの個室寝台車とそれほど変わらない構造、
つまり既に原型は出来ていたということです。
「北斗星」のツインデラックスにトイレが付いた構造です。


さらに古い時代のもの。

館内展示もオリエント急行のルートや乗車した著名人の紹介、ポスターなど、
充実したものでした。


IMAの展望台からは、こんな景色が見渡せます。
隠れた名所です。