やっパリ、メトロで。

パリ在住だったブログ主が語る、パリ・フランス、日本の交通系散歩日記。鉄分やや多め。

Transilien P線のトラムトレインに乗る

2014-06-24 | RER / Transilien
以前は郊外線 (lignes de banlieue) と呼ばれていた
Transilien (トランシリアン:イル・ド・フランス地域圏の鉄道ネットワークに付けられた愛称)、
その P 線は、パリ東駅を出発点としてパリ東郊に延びる路線群です。

ある日曜日、仕事が終わってからの夕方、
まだ未乗だった、Esbly ~ Crécy la Chapelle 間に乗ってみました。
この部分は、通常のSNCFの路線ですが、車両がフル規格の鉄道車両ではなく、
トラムT4号線と共通で使用されているトラムトレイン (仏語「トラム・トラン」 tram-train) なのです。
その点でも気になっていた路線でした。



ちょうど今は一年で一番日が長い時期、22時過ぎまで明るいので、
16時に行動を開始しても間に合います。
週末はパリ市内・隣接郊外のパス (Zone 1-2) でもイル・ド・フランス地域圏の交通 (Zone 5 まで)に乗り放題です。

今はSNCF (フランス国鉄) のスト中。
パリ東駅まで来てみましたが、かなりの列車が省かれているようです。
P線の他の末端部分はバス代行などもしているようですが、
これから乗ろうとしている所はとりあえず動いている模様。

2009年より今まで Transilien 向けに増備が続いている Z50000系電車 (愛称 Francilien) で、
パリより約40分、Esbly まで向かいます。
明るく、静かで快適。

Esbly 駅では、40分の待ち合わせ。とりあえず、ストの影響はなさそうです。
Crécy la Chapelle 方面は駅舎に近い行き止まり式のホームです。
幹線の2本の線路に比べると、いかにか細いことか。



目指すトラムトレインは20分ほど待ったところでやってきました。


隣のホームは、L線のパリ行き幹線列車。
大きさの違いがわかります。
トラムトレインはちょこんと佇んでいます。
車両はシーメンス社の Avanto (SNCF形式 U25500系)。

Esbly 駅を出発します。一旦幹線のパリ方向に戻る形で進み、
駅構内を出るとすぐに左に分岐します。

運転席後ろの、
動力台車があるために他の客室よりも一段高くなっている部分に座りました。
路面電車の形をしていますが、通常の鉄道路線ですので、
90km/h程度でモーターをぶん回しながら豪快に飛ばしますし、
線路に踏み切りもあります。



日曜夕方のため、下り方面(パリから遠ざかる方)にはほとんど人が乗っていません。

この車両の走るもう一つの路線、トラムT4号線は、ホームが低くなっていますが、
こちらの路線ではホームの高さはそのまま。
逆段差になっています。





途中、1つの廃駅を通過、3つの駅に停車して、
約13分で Crécy la Chapelle 駅に到着。
全線を通じて単線で、行き違い設備もありません。
1本の車両が機織りのように運用されているようです。



折り返します。

週末を郊外の実家で過してきた人がパリに戻るので、
行きよりは人が乗っていますが、それでも席が半分埋まった程度。
これぐらいの乗りならトラムトレインでも十分でしょう。
今度は低床部分に座ります。

車両は路面電車のようなのに、流れる風景は都会ではなく田園地帯。


二階建て車両の下階に座っているようで、
地面に近く、スリリングに景色が流れます。
路面電車ではこんなスピードが出ませんからね。


幹線の線路が近づいてくると、Esbly 駅です。


Esbly に戻ってきました。19時50分、まだまだ明るい。