紫の朱を奪う

日々の随想

2020-06-30 00:24:26 | 日記
週末、祖父と姉に会いにいってきた。

博論を書き終えた報告も。

二人には執筆中、たくさん背中を押してもらった。

どうもありがとう。


うちから6kmぐらいの場所に二人ともいて、

自転車で行って、帰りに祖母の家にも寄った。

コロナが心配だから、玄関先で買った物を渡して立ち話をしただけだったけど

顔が見られて嬉しかった。

だけど、もっとそばで、ゆっくり話がしたかった。

「今日が月命日だから行ってくれたのかと思った」という祖母のことば。

りんごを3つ頼まれたのも、祖父のためだったのかもしれない。

墓石にはもう、祖父の隣に祖母の名前が刻んである。


神妙な気持ちで祖父のところに行ったら、スケボーをする親子がいた。

言うか言うまいか悩んでいたら、ちゃんと気遣ってどこかに行ってくれた。

欲をいえばもうすこし早く行って、もうすこし遅く戻ってほしかったけど。

姉のところには、その日はなんだか人がいっぱいいた。

私と同じ年ぐらいの母子が見学にも来た。

私たちに話しかけてくる人もいた。


骨になっても、

今日はいい風だな

日差しが強いな

やっぱり電車がうるさいな

今日は人がたくさん来てるな

星が綺麗だなとか

そんなことをなんとなく感じているような気がした。

そして自分もそう在るのかなと。

考えることはできなくても。


姉のところに擦ったマッチを2本と、マッチ箱を置き忘れたことに気が付いて

悩んだ末にひとりで戻った。

だれもいなくなってがらんとした空間に

さっき私たちが残した線香の煙だけが立ち昇っていた。

そういうものを残したこと自体忘れていたし、意識をしたことがなかった。

家の中でたく線香は煙たいだけだし、

お墓参りをした後にわざわざ戻ったことがなかった。

そこに眠っているひとたちが、その煙を、私たちの名残を、楽しんでくれているような感じがした。

今度は私の方が名残惜しくなって、さっきは人が多かったり話しかけられたりして落ち着いて伝えられなかったことを

ことばにして姉に伝え、そこを後にした。
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