野原うた

日々美しい自然の花や生き物などを紹介するブログ。

ムベ

2007-05-21 | 双子葉植物・モクレン亜綱

科名:アケビ科 Lardizabalaceae
属名:ムベ属 Stauntonia
和名:ムベ
漢字:郁子
学名:Stauntonia hexaphylla (Thunb.)Koidz.
Rajania hexaphylla Thunb.
読み:ストーントニア・ヘクサフィラ
英名:Japanese staunton vine(ジャパニーズ・ストーントンバイン)
別名:常葉通草(ときわあけび)、ウベ
流通名:
撮影場所:東京都大田区 植栽
撮影日時:2007.03.21
ムベです!
秋に紫色のつやつやした実をつけます。

皮に石細胞がおおく、アケビに比べると食感がめちゃくちゃ悪いのですが、
個人的には味はムベのほうがおいしいと思います。

花もとてもきれいです。
アケビのような個性はありませんが、
蕾の形もとても素敵です!
和の風情があります。
香もいいです。

ムベは雌雄同株で、雄花と雌花が付きます。
写真左↓雌花と花が終わって残った花柱。
                         写真右 雄花紫色タイプ↓



ムベの雄花、白っぽいタイプ。





さてさて、アケビの名の由来はいくつかありますが、
その由来の一つに、ムベの名が出てきます。

ムベの実は熟しても開かないのに対し、
アケビの実が熟すと開くことから、
「開けムベ」が転じて「アケビ」となったそうです。
一方、ムベの別名「常葉あけび」というのは、常緑のあけびという意味。
鶏が先か、卵が先か?!みたいな話になりそうです・笑

おそらく歴史が古いのはムベのようですね!
なんたって、天智天皇がこの実を見て
「むべ(宜)なるかな」と言ったのが
名前の由来だと伝わっているそうなので。

名前の由来って意外と複雑ですね

気になるのはお芋のウベ!
沖縄でウベアイスとか売ってますよね。
ウベって紅山芋らしいんですが、ムベとの関係やいかに?!

ムベと同じ科の植物

アケビ
ミツバアケビ
ゴヨウアケビ

アケビ

2007-05-21 | 双子葉植物・モクレン亜綱
科名:アケビ科 Lardizabalaceae
属名:アケビ属 Akebia
和名:アケビ
漢字:木通、通草
学名:Akebia quinata (Thunb.) Decaisne  
読み:アケビア・クイナタ
英名:Five-leaf akebia (ファイブリーフアケビア)←そのまんまだ…
別名:山女(はぜた実の形を女性のある部分に見立てて・笑)
流通名:Chocolate Vine (チョコレート・バイン)
撮影場所:東京都新宿御苑植栽
撮影日時:2007.04.08

大好きな植物の一つ、アケビです!
ようやく実の写真が撮れたので、
花の季節は一ヶ月以上前ですが、載せちゃいます!

この花、まるで和紙で作ったぼんぼりのようです
ぷっくりと膨らんだ蕾に、ほころんだ花、
何度見ても胸キュンです~

下の写真なんか、キャンディーをちりばめたよう!
海外ではチョコレート・バインってよぶこともあるようですが、
この花の雰囲気にぴったりなネーミングですよね

アケビは、雄花と雌花があります(雌雄異花)。
でも雄株、雌株ではなく、一本の木に
雄花も雌花もつきます(雌雄同株)。

アケビは同じ科のムベと違い、
遠くからでも雄花と雌花の見分けがつきます!

↑写真の左が雌花、真ん中に立派な雌しべ(花柱)があります。
花も色が濃く、一回り大きいです。
雄花より数が少ないです。
写真右が雄花、雄しべの葯が集まっています。
花色はやや白っぽく、花が小さめ。
雌花より数が多いです!

アケビの花弁に見える部分、実はガク片です。
花弁はありません。


撮影場所:東京都大田区東京港野鳥公園植栽
撮影日時:2007.05.12

アケビの新芽は木の芽といって、山菜になります。
ほろ苦くおいしいとのことで、一度採って食べましたが、
細い蔓5本くらいだったので味がイマイチわからずじまい…
木化した蔓は、籠やリースに使います。


撮影場所:東京都大田区東京港野鳥公園植栽
撮影日時:2007.05.12

アケビの実を載せたいなあなんて思っていたら、野鳥公園で偶然発見!
まだ人差し指よりちょっと太い程度ですが、
とてもみずみずしくってかわいかったです
熟す前の若い実は甘く煮て食べられるそう…いいなあ


撮影場所:福島県鮫川村
撮影日時:2002.10.05

↑虫などのせいで野生のアケビは土色のことも多々あり・笑
本来はきれいな薄紫をしています。
熟すと皮がパクッと開いて、
中から、黒い種をたくさん含んだ真っ白い果肉が見えます。
私はいつも外見はバナナの中身に似てるなあと思うんですが…
昔からの呼び名は山女だそうです・笑
アケビの実、秋にものすご巨大なヤツをスーパーで見るので、
食べたことなかったら、
ぜひチャレンジしてみてください。
甘酸っぱい山のおやつです。



撮影場所:福島県鮫川村
撮影日時:2002.10.05

ふと思い出した野生のアケビの写真です!
感激のあまり飛びつくと、中身がぽろんと落ちてゆきました・笑


撮影場所:神奈川県厚木市 植栽
撮影日時:2007.03.30
流通名:白花アケビ
学名:Akebia quinata 'Alba'
英名:White-flowered Chocolate Vine
まだ株が小さいので、雄花しか咲いていませんでした。
アケビは海外でも割とメジャーな園芸植物のようです。

アケビと同じ属の植物

ミツバアケビ
ゴヨウアケビ

アケビと同じ科の植物
ムベ

ゴヨウアケビ

2007-05-20 | 双子葉植物・モクレン亜綱
科名:アケビ科 Lardizabalaceae
属名:アケビ属 Akebia
和名:ゴヨウアケビ
漢字:五葉木通、五葉通草
学名:Akebia pentaphylla Makino
読み:アケビア・ペンタフィラ
英名:――
別名:山女
流通名:Chocolate Vine (チョコレート・バイン)
撮影場所:神奈川県厚木市 植栽
撮影日時:2002.04.25

日本の植物学の父、牧野富太郎さんが学名の名付け親のようです。
アケビミツバアケビ自然交雑種のため、
両者の中間の形態をしています。

アケビ
葉が5枚、葉の縁は丸い。花の色が紅紫色。

ミツバアケビ
葉が3枚、葉の縁は波型。花の色が濃い茶色。

ゴヨウアケビはというと…
葉が5枚、葉の縁が波型。花の色が濃い茶色。

写真で見比べると、普通のアケビとは葉の形が違うのがわかります。
野外で単体で見ても、どちらか区別が付くと思います。

ただ、和名が紛らわしいのが…
アケビゴヨウアケビも葉が5枚…
名前だけを聞いてると、こんがらかっちゃいます・笑

写りはともかく
写真は全部そろっているので、ぜひ見比べてみてくださいね!



↓写真左ゴヨウアケビ雌花
            ゴヨウアケビ雄花写真右↓


ゴヨウアケビと同じ属の植物
アケビ
ミツバアケビ

ゴヨウアケビと同じ科の植物
ムベ



ミツバアケビ

2007-05-20 | 双子葉植物・モクレン亜綱

科名:アケビ科 Lardizabalaceae
属名:アケビ属 Akebia
和名:ミツバアケビ
漢字:三葉木通、三葉通草
学名:Akebia trifoliata (Thunb.)Koidz.
読み:アケビア・トリフォリアタ
英名:Three-leaf akebia(スリー・リーフ・アケビア)
別名:山女(はぜた実の形を女性のある部分に見立てて・笑)
流通名:Chocolate Vine (チョコレート・バイン)
撮影場所:神奈川県横浜市金沢文庫 植栽
撮影日時:2007.03.21

ミツバアケビの新芽(通称:木の芽)と雌花(左)と雄花(右)です。
雄花は花粉吹いてますね・笑

ミツバアケビの特徴…
花の色が、チョコレート色。
その名の通り、葉が三枚です。
葉の形も、アケビと違ってやや波打っています。
新芽は、まるでクレマチスのよう!
花が無かったら勘違い…しないか


寒地にはこのミツバアケビが多く、
暖地にはアケビが多いのだそうです。


撮影場所:福島県鮫川村
撮影日時:2002.10.05
こういう、自然あふれる田舎があると
素敵ですね
帰れる故郷がないので、つくづく思います…


撮影場所:福島県鮫川村
撮影日時:2002.10.05
↑めちゃくちゃ判り難いというかほぼ判別不能?ですが、一応葉が三枚です・笑
収穫したときは気づいていませんでしたが、
アケビミツバアケビ、鮫川村には二つとも生えていたようです・笑


ミツバアケビと同じ属の植物

アケビ
ゴヨウアケビ

ミツバアケビと同じ科の植物
ムベ

セリバヒエンソウ

2007-04-09 | 双子葉植物・モクレン亜綱
科名:キンポウゲ科(Ranunculaceae)
属名:オオヒエンソウ属(Delphinium
和名:セリバヒエンソウ
漢字:芹葉飛燕草
学名:Delphinium anthriscifolium
読み:デルフィニウム・――(??アンスリシフォリウム)
別名:――

撮影:新宿御苑


あ、あの花なんだろー!
一見タチツボスミレのようなブルー。でも草丈が高め?
わー、なんだろなんだろ!!
そう思ってワクワクしながら近づきました。

距や花の雰囲気から、
はじめのうちは先日ご紹介した、
キケマンソウ属の仲間かと思いました。
しかし、近寄ってみると、五枚の花びらのようなものが良く目立ちます!

もしや…この距といい、花の形や葉っぱの形といい、
花屋で見るアレに良く似ている!

そう思っていたら、ビンゴでした!
なんと、デルフィニウムの仲間だったのです。

同じキンポウゲ科でもキツネノボタンとかは
馴染み深いですが、東京の真ん中で
まさかデルフィニウムの仲間に出会えるとは~
すごく嬉しかったです

先ほど、花びらのようなものと書きましたが、
デルフィニウムの仲間、
花弁のように見えるのは、実はがく片なのです。
そういわれてみると蕾がそのまま咲いてがくが見当たらないですもんね!
本当の花弁は真ん中の部分だそう。
分解したかったですが、御苑だったので

ご参考に、園芸品種のデルフィです!
デルフィニウム‘トリック’






ムラサキケマン

2007-04-06 | 双子葉植物・モクレン亜綱
科名:ケシ科(Papaverasea)
属名:キケマン属(Corydalis)
和名:ムラサキケマン
漢字:紫華鬘
学名:Corydalis incisa
読み:コリダリス・インキサ
別名:藪華鬘

シャンデリアのように豪華についた花、
本当にきれいですよね♪

ふさのようにつく花、変な形の花。
はじめてみたときにはケシ科とは思えませんでした!

ですが、ケシの仲間にもいろいろあって、
華やかな:ヒナゲシ★1から
クサノオウ★2という黄色い小さな野の花のようなかわいらしいもの、
タケニグサという背の丈を超えるほどの大きなものまでさまざまです。


クサノオウは花の雰囲気がヒナゲシの仲間に、
葉や茎の雰囲気はケマンソウの仲間に似ているように見えませんか?

クサノオウは葉や茎を切ると黄色い乳液がでてきて、
それが名前の由来となったといわれています。
これは薬としても使われていた有毒植物。
タケニグサも葉や茎から有毒の乳液が出ます。
言わずと知れたケシの一種も、未熟な果実から出る乳液がアヘンの原料に…
このムラサキケマンも例にたがわず有毒植物です!
ウスバキチョウなどの食草のひとつです。
これらの蝶は有毒植物を食べて、その毒を体内に蓄えているそうです。

写真は葉っぱのアップ。
葉っぱだけだと、紛らわしいものが多く、
なんだか分からないと思います。
ちょっとおいしそうですが、ちぎると臭いので、
山菜取りのときはそのへんでチェックしてみてください!



お花のアップ。
スミレなどのように距(きょ)があります。
不思議な形です。


草全体の雰囲気です。


★1
属名:ケシ属(Papaver
和名:ヒナゲシ
漢字:雛罌粟
学名:Papaver rhoeas
読み:パパウェル・ロエアス
別名:虞美人草(ぐびじんそう)
 
★2
属名:クサノオウ属(Chelidonium
和名:クサノオウ
漢字:草の黄、草の王、瘡の王
学名:Chelidonium rhoeasvar.asiaticum
読み:ケリドニウム・マユス・アジアティクム


春の花

2007-01-29 | 双子葉植物・モクレン亜綱
お花屋さんの店先は、すっかり春の花ですね!

オオニソガラムと一緒にラナンキュラスもかいました。

あこがれの深いワイン色と白の複色咲き1本とクリーム色を2本!

ラナンキュラスって繊細であまり日持ちがしないような気がしますが、
じつは結構長く楽しめます!
花びらが多いので、ゆーっくり咲いてくるんです!
朝起きると、昨日よりふんわりしてる?!という感じがして、
とても楽しいです!


そうそう、ラナンキュラスの花びらって実は花びらではなく、
‘がく’が変化したものなんです!
他のキンポウゲ科の植物の多くが、
‘がく’を色とりどりに変化させて、花弁のようにみせています。
クレマチスやシャクヤク・クリスマスローズなどは有名ですよね!

ラナンユラスの日持ちが良い理由はそこにあるのかなあなんて思っています。