花はなぷりんのささやき

わたしのかんさつ日記

I will always love you

2010-06-14 15:16:15 | 

あなたをずっとずっとあいしてる

作・絵: 宮西 達也出版社: ポプラ社

暫く、ご無沙汰してしまいましたが皆さん変わりないですか?ご訪問、いつもありがとうございます。先日、チビ雄が図書の時間にまたこのシリーズを借りてきました。見たいような見たくないような感じがして、「読んで~」と言われた時に「また泣きそうになるから嫌やなぁ」と言ってしまいました。大人が泣くほど、心に響く物語だと言うことですよね。いい本なので、またあらすじを書かせて頂きます。

【あらすじ】ある日、マイアサウラという恐竜のお母さんが小さなタマゴを見つけました。「もし、あの恐ろしいティラノサウルスに見つかったら食べられてしまう」可哀想に思ったお母さんは、タマゴを持って帰り、自分の産んだタマゴと拾って来たタマゴを同じように温めました。何日か経つと、パカっと赤ちゃんが生まれました。お母さんは大喜びでしたが、あの拾って来たタマゴは、乱暴者のティラノサウルスの赤ちゃんでした。お母さんは、悩んで「大きくなって自分がティラノサウルスだとわかったら、大変なことになる」そう思い、タマゴを拾った林に眠っている赤ちゃんを置いて帰ろうとしました。その時、赤ちゃんの声を聞き足早に戻って「ゴメンね。あなたは私の大切な赤ちゃんよ」と思いなおしてしっかり抱きしめて、家に帰りました。お母さんは自分の子供と同じように、可愛いがり祈りを込め名前をつけました。マイアサウラの子には[いつも明るいライト]ティラノサウルスの子には[強くても優しい子、ハート]ライトとハートは、仲良く本当の兄弟のようになり、赤い実を食べてどんどん大きくなりました。

そんなある日、ライトがアンキロサウルスのおじさんに出会ったとき「ティラノサウルスに見つかったら危ないよ」と言われました。「ティラノサウルスって誰?」ライトがおじさんに聞くと、「ティラノサウルスは、ずるくて弱い者いじめばかりする嫌われ者さ。爪は鋭くて牙はギザギザ、体はゴツゴツした恐ろしい恐竜だよ」と教えてくれました。ライトが帰ってお母さんに、おじさんとのことを話しました。「何だかハートみたいだね」ライトが笑って言うと、お母さんは恐い顔で言いました。「何を言うのライト!ハートはあなたのお兄ちゃんよ」そう言ってお母さんは、二人を強く抱きしめました。「ごめんね。ハート」ライトがぽつりと言いました。

月日か経ち、ライトとハートはお母さんと同じくらい大きくなります。「今日も赤い実を沢山、取ってお母さんとライトを喜ばせてあげよう」そう思い、ハートが林に向かって歩いていると、岩山の影から目をギラギラさせたティラノサウルスがハートに飛びかかって来ました。ハートを見て[俺と同じティラノサウルスか…マイアサウラのいい匂いがしたのに]ティラノサウルスはがっかりしました。ハートはそのティラノサウルスを見て[このおじさん、ティラノサウルスかもしれない]と思いながら、聞いてみました。「おじさん、誰?」『俺か?お前と同じだよ』[よかった。僕と同じマイアサウラなんだ]『お前はここで何をしてる?』ハートは赤い実のことを思って言いました。「僕はこれから美味しい物を取りにいくんだよ」するとおじさんも『俺もさ。今日はご馳走してやるからついて来い』ハートはティラノサウルスの後について歩いているとおじさんは寂しそうに言いました。『昔、俺のタマゴをなくしたことがある』ハートは、赤い実のことで頭がいっぱいで気づきません。「おじさん、赤い実がいっぱいだよ」すると『こんな実を食わなくても、あの森を抜けた先にマイアサウラのご馳走が待ってるぞ』ハートは驚きながら「おじさんは、ま…まさかティラノサウルス?」『何を言ってるのさ。お前と同じティラノサウルスに決まってるだろ』「僕はマイアサウラだよね?」『その爪と牙、体、お前は立派なティラノサウルスだぜ』「嘘だ!嘘だ僕はマイアサウラの子だ」ハートは激しく怒ると、おじさんがハートを押さえつけて『しっかりしろ!お前は誰が見ても何処から見ても俺と同じ、ティラノサウルスだ』二人の重なった腕と爪はゴツゴツで、そして鋭くてそっくりです。ハートは目を閉じて「違う…僕は違う」ハートは涙をポロポロこぼして、お母さんのとこに向かって全速力で走りました。

「グォーン!」ハートの叫び声にびっくりしたお母さんは、ハートをギューっと抱き寄せました。ハートは泣きながら「お母さん、僕はティラノサウルスなの?僕はお母さんの子じゃないの?」お母さんは、ハートを力いっぱい抱きしめて言います。「あなたは、私の大切な子。私の宝物のハートよ」ハートは真っ赤な目でいいました。「ありがとう、お母さん。僕はハートだよね」そして、振り返るとティラノサウルスが目をギラギラさせて近づいて来てました。ハートはティラノサウルスに向かって走り出し「お母さん、赤い実をいっぱい取って来るからね」振り向いて笑顔で言いました。グォーンと吠え再び走り出してティラノサウルスに会うと【ガブリ】ハートはおじさんの体を咬んだまま動きません。『なぜ…同じティラノサウルスなのに』「違う!僕はハートなんだ」目からいっぱい涙をこぼして言いました。おじさんはハートに咬まれたまま、ただただじっとしていました。ハートがおじさんの顔を見ると、おじさんの目からも涙がこぼれています。ハートは咬むのをやめました。[このおじさん、もしかしたら…僕の]その日から、ハートがお母さんとライトのところに戻ることはありませんでした。お母さんとライトは、毎日、毎日、ハートを捜しました。ある日、お母さんがハートと出会った林に行くと、赤い実が山のように積んで有りました。「ハートあなたには、もう会うこともないのかしら…あなたが例え何処にいても、いつまでもあなたを愛してる。ずっとずっと愛してる。」そう言ってお母さんは、赤い実を口の中に入れました。

少しのつもりが、ほぼお話を書いてしまいました。書いてる途中にも涙が出ます。最近、涙もろいのです。ハートの実の親と育ての親との間で揺れる気持ちを思うと、酸っぱいレモンを食べてるような感じです。レモンは酸っぱいけど、ビタミンCが豊富です。

お母さんの子供でありたい気持ちと、自分がマイアサウラではないことの事実と、お母さんを守るために本当の親?を咬まなくてはいけない優しい心が涙をそそります。本当の親の気持ちを思い遣るこのハートの心とそして、咬まれたまま何かを悟るおじさん、また、このお母さんの海のように深い愛が、暖かみを増すので心が洗われる感じです。

本当の親も育ての親もハートもライトも、皆、思い遣りに溢れているお話です。童話ですけど、自分の子供と同じようにティラノサウルスを育てたこのお母さんの愛情の大きさはスゴイですね。「乱暴者」と言われているティラノサウルスを、こんなに優しいいい子に育てました。

今は、一度、悪いことをしたり大きな失敗をするとかなり厳しい世の中のような気がします。難しいこともあるのは事実ですけど、育て方・やり方次第で、いい方向に行く可能性はあるのだと思うのですが、結果や過程を評価しすぎてしまうと望みを断ってしまう道もあるので、気をつけなくてはいけないこの頃だとも思います。時間が流れるのも早い最近ですし、子育てをして仕事をするお母さんも多いので何となく余裕もなくなりやすいのかもしれません。それでも、子供の持つ素直な優しい心は、何処かに必ずあると信じて成長を見守りたいものです。 このお母さんのように、愛されていることにもっと気がつくことも大切だとも思います。言葉にして伝わって来ることがなくても、親だけでなく環境や自然、見えなくても私たちを創った大きな「源」ともいえる存在に「ずっと愛している」と言われていると。。。太陽のような陽だまりの存在をイメージして感じるだけで生きていく活力を見いだせるような気がします。

このお母さんにとって、もっとも嬉しいことは何か想像すると、子供が健康で幸せで笑顔でいてくれることでしょう。他には見返りはないと思います。子供としてその思いに応えるには「生んでくれて、この世に出してくれてありがとう」の気持ちではないかと思います。

 チビ雄は私が泣くのをニヤニヤして顔を覗きこんでました。この日はそれに、妙にベタベタもして来て保育園児に戻ったかのような。。。「また、このシリーズ借りてこよう!」って言うので私は、当分、毎週ハンカチを用意しなくてはいけないかもです。

  [いつまでもあなたをずっとずっと愛してる]

エーン 今日も長文になりました。最後まで読んで頂いてありがとうございます。


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