奇跡的にガンを克服した方がその方たちを研究した結果をまとめた資料がありました。
ガンになってしまった人がガンを克服するためには、「性格」が治療効果、予防、延命に影響を及ぼすと言われています。性格は気質や思考習慣(考え方、モノゴトの受け止め方のクセ)を含み、同じストレスでも、それをどう受け止め、解釈し、対処するかというのは、人それぞれ特徴があるそうです。
世界的に有名な心理学者、アイゼンク博士(1916~1997)は、人の性格を4つのタイプに分類し、タイプごとのガン死亡率を調べました。
【type1】情緒的に高い価値がある対象(自分にとって大切な人や仕事など)が、自分の幸福にとって重要だとみなし、依存し、大切な人との人間関係悪化、長期の別離、仕事の失敗、名誉や地位の喪失などがストレスとなり精神的に大きなダメージを受け、おとなしく静かな反応(絶望感や無力感)を示す。
【type2】上記と同じように、「自分を幸福にしてくれるものが自分の外側にある」と考えている。それを失ったとき、やはり大きなダメージを受け、【1】と異なり攻撃的な対応(怒り、興奮、攻撃)を示す。
【type3】 【1】と【2】の両方の性質を持っている。時によって反応が異なり、自己処罰的な反応と攻撃的な対応を交互に示したりする。
【type4】人格的自律型といわれるタイプ。自律性とは、自分を幸せにしてくれるものが自分の外にではなく内側にあると考えている。価値のある対象(仕事、大切な人)があるからこそ幸福を感じ、それに依存せず、自分なりのものを築いていくことが大切だと考えている。そのため、他人の感情や言動、モノゴトが自分のストレスの原因となることが少ない。
アイゼンク博士は、旧ユーゴで約2000人を対象に11年間の調査を行いその結果、【1】のガン死亡率は46%、一方【4】は観察期間中、ガンにはまったく罹らず、他の病気での死亡も最も少なかったそうです。治療に対する意欲や生きる希望が持てると、ガンからの回復を促すことができるそうで、奇跡的に回復した人たちは、恐怖や不安が心のなかに同居するのを許していたのだそうです。
恐怖や不安を消そうとするのは難しく恐怖や不安の源は、死を意識せざるをえないガンという病気、それに伴う家族への思い、厳しい治療・・・などのストレスが考えられます。
ただストレスというのは、ストレスそのものより受け取り方が問題で、あるストレスをプラスに受け止めるか、マイナスに受けとめるかで、治療の効果は大きく変わって来る可能性があります。
あるストレスをプラスに受け止めるか、マイナスに受け止めるかは、脳にある扁桃核(へんとうかく)が持っている感情によるそうで、扁桃核が好意的ならばプラスに受け止め、嫌々ならマイナスに受け止めます。プラスに受け止めれば、安心感や穏やかな気持ちになれ回復に希望を持てて、治療の効果も良い結果が得られるそうです。
では扁桃核の好き嫌いの感情はなにで決まるのか? それは脳の海馬での記憶(データ)で、なんらかの問題が発生したとき、海馬に蓄積した過去の経験や知識からデータを引っぱりだし照合します。
その時、身内の人がガンで苦しんだ体験、著名人の死亡欄に記されている死因、新聞や雑誌に掲載された怖い情報、医師や看護師の希望を失う一言・・・などが海馬にたっぷり入力されていれば怖く感じ、失敗や挫折の記憶がないとで良い結果をもたらすのだそうです。
しかし、記憶は過去のものであって、これから同じことが起こるとは限りません。
恐怖や不安は、まだ起こっていない未来が過去のデータに縛られていることを意味します。
その記憶から完全に逃れることはできませんが、データに上書きはできます。
恐怖や不安が完全に消えることはなくても、あらたなプラスのデータを上書きすることによって、コントロールできるようになり、恐怖や不安に人生をコントロールされるのでなく、恐怖や不安を自分でコントロールして、健康を取り戻せるようになればいいですね。
。。。つづく。