山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

キンポウゲの季節がやってきた

2023-06-12 13:18:00 | 似てる花の見分け方
先日  三ツ峠山に行ったらいっぱいキンポウゲが咲いてました。




キンポウゲはわりと名前の知られてる花ですが場所の名前のついた品種も多いですね。
私が知ってるのは、
キタダケキンポウゲ
ヤツガダケキンポウゲ
グンナイキンポウゲ   
くらいです。
先日  昔の雑誌を読んでいたら近くの山に咲くキンポウゲがアカギキンポウゲと紹介されていました。
不勉強な私は上の3種も含めて、どこを見て見分けるのか調べてみることにしました。

まずはキンポウゲ  
Ylistによるとウマノアシガタといい、キンポウゲは別名とされてます。以後はこれで。
似たような花を山渓谷ハンディ図鑑でみると
◯野に咲く花   ウマノアシガタ、ヒキノカサ、キツネノボタン、ケキツネノボタン、タガラシ
◯山に咲く花   ヤマキツネノボタン、ヒメウマノアシガタ
◯高山に咲く花  ミヤマキンポウゲ、タカネキンポウゲ、クモマキンポウゲ、キタダケキンポウゲ
                      ヤツガダケキンポウゲ
と12種ありましたが、知りたいアカギキンポウゲやグンナイキンポウゲがありませんでした。

Ylistでキンポウゲと名がつくものを検索する50種近くでてきました。これを
なので上の12種にアカギとグンナイを加えた14種類を見ていくことにしました。

まず地域特性のあるものをのぞきます。
ヒメウマノアシガタ   屋久島の湿原のみ。
タカネ、クモマ        白馬山系のみ。白馬山系は見分けるの大変ですね。山梨でよかった。

残りの11種です。

また旧版の日本の野生植物をみると、気にしていたアカギやグンナイは以下のような位置付けでした。
アカギ      ウマノアシガタの変種
グンナイ   オオウマノアシガタの変種

場所として高山帯     ミヤマ、キタダケ、ヤツガダケの3つで見分け
残りは   野に咲く花の5種+山に咲く花のヤマキツネノボタン、そしてグンナイの母種  オオウマノアシガタの7つでまず見分け、そして変種の特長がわかればよいと考えました。

まず高山帯です。
ミヤマは昔の山梨県植物誌では南アルプスや八ヶ岳にあるとされており、北岳だからという見分け方はできそうもないです。

非常によく似ているといわれるキタダケとヤツガダケは5〜20cmと小さく、ミヤマは10〜50cmと大きめといわれてるものの小さなうちは見分けられないと思います。ミヤマの特徴に「集散花序をつくる」とあるので20cm以上と大きく、花が集散状に数個ついているものはミヤマでよいと思います。

よく話がでる「茎の毛」は以下のようでここでも見分けられるのではと思います。
ミヤマ       上向き
キタダケ、ヤツガダケ    白色の軟毛

最後はこの似てる2つですが 日本の野生植物では花弁の長さ(1mm違い)と花弁の形で見分けるとしてますが
写真を見比べても私には全く違いがわかりませんでした。また特徴のところに生息場所が岩壁と礫まじりの草地の違いがあるとも書かれていますがこれも見分けにくそうです。
ここは高山帯ではミヤマでなかったら北岳ではキタダケキンポウゲ、八ヶ岳ではヤツガダケキンポウゲとすればいいかと。
あとは仙丈ヶ岳などの南アルプスの別の山や北岳や八ヶ岳でもウマノアシガタなどの可能性がある亜高山帯などでは迷いそうです。丁寧に観察しないといけないですね。

では残りの7種
まずキツネノボタンは葉の形がボタンに似ているからつけられた名前で、
キツネノボタン、ケキツネノボタン、ヤマキツネノボタンはそこが見分けのポイントですね。1回3出複葉。
このあたりはキンポウゲというより、ミツモトソウやオオダイコンソウなどとの見分けのほうが必要かも。
とりあえずこの3つのキツネノボタンは毛で分けられそうです。
キツネノボタン         茎は無毛
ヤマキツネノボタン   茎に斜上する毛                            
ケキツネノボタン      茎や葉柄に開出するあらい毛が密集  

残り4種はいずれも中型で集散花序をつくる分類です。
なので亜高山帯で見分けにくいのは同じ花序のミヤマになります。

ウマノアシガタ            茎や葉柄に長い開出毛   
                               この毛がねるものがアカギ     
オオウマノアシガタ      全体が大きく、葉も葉身の幅8-15cmでウマノアシガタ(3-7cm)も大きい。
                               ただこれより小型のものがグンナイとされ、茎や葉柄に開出毛があるものと
                               書かれていた。
                               なので地下匐枝のあるなししかウマノアシガタとの違いが見つけられなかった。
タガラシ                    花のあと花床がのびて楕円形の集合果となる。他は球形。
ヒキノカサ                 紡錘状にふくらんだ根がある。


ウマノアシガタとミヤマは毛の状況(開出かどうか)でわかるようですが、
花柱の先がかぎ状に曲がっていればミヤマ、曲がってなければウマノアシガタと分かるようです。
ここは注意して見たことないので今度ルーペ持参で見たいと思います。

違いがわかる写真が撮れれば順次アップしていきます。

ネットには他の見分け方もありましたがどの範囲で比較しているかわからなかったので成書を参考にしました。
間違いがありましたらご指摘いただけると幸いです。