山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

山梨が失った植物

2021-06-16 20:06:00 | 貴重な花
山梨の植物誌をデータベース化して以降、植物名前を聞くたびに検索することが多いが、
いくつかそこで気づいたことがあります。

1、昔は普通と書かれていた植物が絶滅危惧種になっていること。
   開発や環境破壊、盗掘、鹿の食害などにより激減してしまったものかと推測。

2、昔は稀とか、ごく稀と書かれていた植物がレッドデータブックにも載っていないこと。
   本来であればレッドデータブックの野生絶滅に記載されててもいいのだが、最初の2005年版
   レッドデータブック作成時にもう候補リストにもあげられない状況にあったのだろうか。

3、昔の植物誌にもレッドデータブックにも記載されてない植物があること
   これは意外と多く耳にしたし、このブログでも紹介したこともある。
   両方に載ってなければ「山梨では新種発見!」となるのだが、、、
   また昔の別の書籍にはあるのに記載されていないこともある。その場合は新種発見でもない。
   そしてインスタなどのSNSには存在を書かれている方もいる。

   気になるのは記載されてない植物のなかに希少種がある場合はレッドデータブックにも載らず、
   保護もされないということ。そうやってなくなってしまうのは心配だ。いきなり植物誌は無理と
   してもこういった植物のデータだけでもどこかに集められないものだろうか?


こうやって考えていくと、「まとめる」ことが大事だということに気づく。
県内の多くの知ってる人が将来のために「まとめる」ことに協力してくれるような仕組みを
考えていきたい。






守り続けることの難しさ

2021-06-05 20:53:00 | 保護活動
山梨で鹿の食害が顕著になってきてからもう20年くらい経過しています。
なにせはじめてのことだったので「鹿」ではなく、「地球温暖化」などといわれる専門家も
多かったようです。現場をずっとみていればわかることなのに。
今のコロナと似てますね、、、

それから保護柵を設置してみたら効果絶大で、多くの希少種の保護に役立ってきている。
自然じゃないと批判するひともいるけど、なにが本当の自然かよくよく聞いてみたいものだ。

私も最近わかったことだが、
保護柵は鹿には効くが、盗掘やいい写真をとりたいというひとの欲望には勝てない。
保護柵が切られていたり、保護柵内のロープで仕切られている中を植物を踏みつけながら歩く人の姿を
よく目にする。人の欲望は鹿よりもやっかいだ。
ましてやブログで紹介し、その行動を助長する人もいる。
場所や希少な花の名前を書かなければいいのに書いてしまう。自分の売名行為としか思えない。
可愛い写真をとるためにまわりの植物を踏みつける人は身の回りにも多い。
スマホ派のかたはそういうかたが身の回りに多い。

もう一方、山梨でもロープや保護柵はあるが継続して管理されておらず、保護がないがしろになっている
場所も目にするようになってきている。柵が倒れたり、壊れたりして放置されてる。
柵を設置するのは簡単だとはいわない。お金も労力もかかる。またその時だけ行政のように協力して
くれるスポンサーもいることもある。
ただそれを維持管理して、花を守っていくには全く別の概念が必要となる。それを知らないというか
経験や他の成功事例から学んでない人が多い。ほんとうに残念なことだ。

今消えようとしている花を守るにはもちろんすぐに保護する必要がある。
でも大事なのはそれからだ。
その花を未来永劫守り育てていくには多くの人の力が継続的に必要になる。
ほんとうに守りたい花は最低でも月に二回くらいは気になって柵を見に行きたくなる。
そうでない人はその花をどう思ってるんだろうか?
中途半端はほんとうによくないと思う。
ほかのほんとうに守りたいひとたちが手を出せなくなるから。
さらに自分だけでできないなら、共感する多くの人を動かし続けるモチベーションが必要ではないだろうか?
多くの人を巻き込んで守っていく努力が重要だ。
それをこれからじっくりと考えていきたい。