今回のお題は長年ペンドしていたこれです。
オウレンの仲間です。
この花は早春に山の上でたくさん咲き、その時点では葉がありません。
山梨では「山梨の植物誌@植松春雄1981」 によれば
◯オウレン、キクバオウレン
◯セリバオウレン
◯バイカオウレン、ゴカヨウオウレン
◯ミツバオウレン
の4種類となっています。よく参考にさせていただいてる「山梨県植物誌@山梨県1982」ではオウレンがなく3種類でした。「山梨の植物誌」には栽植の文献が載っていたので昔薬用として栽培されていたのを載せられたのかもしれません。
またネットでは、
◯コセリバオウレン
◯ウスギオウレン
も見かけたと書いてあったのでこれも加えます。
あと2015年に出された森林総研のオウレン属の調査報告ではミツバ、バイカ、ウスギのみ確認されていました。
ミツバやバイカは葉っぱで容易に見分けられるのでのぞいて、残りの4つを調べました。
図鑑などを見ると違いのポイントは
◯花茎及び花色
◯葉のつき方
でした。
◯オウレン
花茎 15〜40cmと大きい。白い花。花弁状の萼片5〜7個、花弁5〜6個。
葉は1回3出複葉
◯セリバオウレン
花茎 7cm位。白い花。花弁状の萼片5〜7個、花弁8〜10個。
葉は3出羽状複葉(「山に咲く花」では2回3出複葉)
この写真は以前東京の小峰公園で撮影したものでセリバオウレンとされています。
たしかに葉っぱがセリバの特徴どおり大きく切れ込んでいて、花弁も9〜10個あります。
でも花茎は7cmよりもかなり長かったです。
お題の写真の花は葉っぱはわかりませんが、花弁は8つありオウレンではなさそうです。
ただ小峰公園のものに比べて、花茎も細く短かったです。
コセリバオウレンとウスギオウレンは図鑑に載っていませんでした。
ネット情報をまとめると以下のようでした。
◯コセリバオウレン
花は白色。花弁8〜10個。
葉は3回3出複葉。
太平洋側に分布する
セリバとの違いは葉の出方だけと多く書かれてました。ただ写真の説明の際に「小さい小さい花」書かれていることも多かったです。命名からすれば実際そうなのかもしれません。また写真を見ると葉っぱがより細かく分裂しているものも多かったです。
◯ウスギオウレン
花茎 10〜20cm。萼片 淡黄色、花弁は黄色。
葉は1〜4回3出複葉。コセリバオウレンと同じと書かれていました。
ウスギは本州中部(東京、神奈川、埼玉、長野、山梨、静岡)にのみ分布
お題の写真は萼片や花弁の色あいから見て、山梨にあるとされているウスギオウレンでよいと考えます。
同じ山で今年11月に見かけた葉っぱも載せておきます。
今回改めて山梨で最初に見かけた別の山の花を確認したのですがそれもウスギオウレンでした。セリバは先日葉っぱだけ見かけたので春に花を確認してきます。なので山梨にはセリバ、ウスギ、ミツバ、バイカの4種類あるのでよいかと思います。
あとは図鑑に日本海側に生息とあったミツバノバイカオウレンを見かけたような気がするので、どこだったか過去の写真で確認してみます。
追伸 2022/03/08 山梨のセリバオウレンが咲いたので見に行ってきました。
花と葉っぱの写真を載せました。
花や葉っぱは以前見た小峰公園とそっくりです。やっぱりお題のものとは大きさがかなり違います。ただ保護されている場所ではなく、登る途中で見かけた葉はそこよりもかなり小さかったので栄養状態や食害などの違いなのかもしれません。ちなみに途中のものは花芽はまだありませんでした。