山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

山梨のスミレ 〜小さなスミレたち〜

2022-04-23 21:20:00 | 山梨のスミレ
先週歩いた山でエイザンスミレ、ヒゴスミレ、ヒナスミレ(フイリも)、キスミレをいっぱい見ました。
このうちキスミレは山梨県絶滅危惧IA種です。登山道まわりであまり見かけなかったのが気がかりです。
また小さなスミレにもいっぱい会えました。一挙に会えたことでいろいろ比べることができました。
では出会ったスミレを紹介します。

マキノスミレ


図鑑を読むとシハイスミレとよく似ていると書かれていて、見分けポイントは図鑑やブログでは花色や葉の立ち方とあったのですが、実際見てみると素人の悲しさでそのポイントはうまく見分けられませんでした^^;   たくさん写真をとったのを何度も何度も見て、葉裏が緑色のものがあったりほとんど紫が残っていないものもあったので、その特徴だけでマキノとしました。山梨にはいくつか両方の群生地とされる場所があるそうなので間に合えば見にいって比べてみたいです。

ヒメミヤマスミレ
フモトスミレに比べて花の中心に黄緑色があったことや葉の鋸歯と合わせて同定しました。
葉裏は薄く紫がありました。ここが少し疑問です。

フモトスミレ

先週は圧倒的にこのようなフイリをたくさん見ました。今までほとんどこの小さなスミレはフモトだと思ってました。
ただ花がものすごく赤いものや三角なものなどは別種?と思ってましたがそれらはすべてフモトのようです。

トウカイスミレ
去年はじめて出会ったスミレです。花全体が薄いピンク色で綺麗なスミレです。

これから会ってみたいのはコミヤマスミレです。山梨県絶滅危惧II類。
生息場所が暗くジメジメしたところだそうです。花期が最も遅いと書かれているのでまだチャンスはありそうです。
また去年までにフモトスミレと思って写しているかもしれません。5月の記録を見直して見ます。

4/26頃から山梨の林道が次々に通れるようになってきます。より高い場所のスミレも咲いてきそうで楽しみです。





イワボタン、ヨゴレネコノメ、ニッコウネコノメソウは間違えやすい。

2022-04-15 21:42:00 | 似てる花の見分け方
春はハナネコノメやキバナハナネコノメにはじまるネコノメソウの季節ですね。
インスタでも頻繁にアップされています。
気になるのはイワボタンの変種であるヨゴレネコノメとニッコウネコノメソウの混同が多いことです。
そんな画像をいっぱい見ているうちに自分が違っているかもと思いはじめましたのでこの際きちんと整理してみたいと思います。

前回も紹介した いがりさんのネコノメソウ  完全版のポイントにそって比較してみます。

ポイントは、萼裂片の開き具合、その色、雄しべの数、葯の色、その他

イワボタン
直立〜斜開、淡緑色〜黄緑色、(4〜)8個、黄色(稀に帯赤褐色)

ヨゴレ
ほぼ直立、暗紫褐色、主に4個(〜8個)、暗紅紫色

ニッコウ
斜開〜平開、緑色〜黄緑色、8個、暗紅紫色

問題の2つを写真で見てみました。
ヨゴレは高尾山にあったものです。


区別のポイントの萼裂片ですが、
上の写真だと咲く前なのか咲いている状態なのか見分けにくいです。
下の写真は黄色い花粉がでている状態なので咲いていると思われ、直立のままで色もあっています。
雄しべの数は少なそうですが写真では数えられませんでした。
ヨゴレの差別ポイントは萼裂片が「直立」&「茶色ぽい」ことですね。
残念ですがまだ山梨で見かけたことはありません。

一方、ニッコウですが、

似てる〜!!!



一番上だとちょっと黄緑色のところがあるかなぁくらいでよく似ています。葉の色もあってこれをヨゴレとされている例多いですね。二番目、三番目とどんどん咲いてくると花序の近くの葉も明るい色に変わってくるようではっきりとヨゴレじゃないと感じられますね。萼裂片は「平開」&「黄緑色」ですね。

最後にイワボタンとのはっきりとした差異が葯の色と萼裂片が平開しないことですが、咲いてる途中は開き加減は見分けにくいので葯の色が黄色ならイワボタンかなぁと。過去の写真をだいぶ見たのですが見つかりませんでした。
見つかり次第、追記します。







山梨のスミレ 〜マルバスミレ、ゲンジスミレ、アケボノスミレ、スミレ〜

2022-04-14 09:43:00 | 山梨のスミレ
急に暑くなり、里のスミレもどんどん開いている感じがします。
先週、山梨の標高の高い北杜市を歩きましたが田んぼの畦にノジスミレがこれでもかというくらいたくさん咲いてました。色褪せたのではなく、色がうすいものもありました。また里山でも標高の高い場所でいろいろなスミレが咲いてるとの情報も入ってきました。里から山へ  観察場所が移ってきていると感じます。

最近新しく見たのはこのスミレたちです。

マルバスミレ

別のマルバスミレですが側弁に毛があるのでケマルバスミレかな。
真ん中に黄緑色がはいってるんですね。はじめて知りました。じっくり見ないといけません。

ゲンジスミレ。葉裏が紫→紫式部→源氏物語→ゲンジスミレらしいです。
この花も真ん中に黄緑色がはいってます。たぶん初見です。
アケボノスミレ。まきまきの葉も好きです。
スミレ

スミレが咲くともう里のスミレは終盤でこれからは山のスミレかなぁと考えてます。あってるかな?
マキノスミレなど見ていないスミレもありますが、また来年ですね。
山だけにしかないスミレもありますし、里のスミレが標高の高いところまで咲いているものもあります。
まとめではないですが、里のスミレの私の気づきについて今後のために書いて残しておこうかと思ってます。











ツルネコノメソウに似た花

2022-04-13 18:48:00 | 似てる花の見分け方
今年もネコノメソウの仲間を見にいってきました。
ハナネコノメ、コガネネコノメ、ニッコウネコノメ、ツルネコノメといつものメンバーが元気に花を咲かせていました。
今回  気になったのはこの花でした。
ツルネコノメソウの咲き終わりかと思ってました^^;

これがツルネコノメソウです。でも今回比べてみると、

葉のつき方が違ってたんです。ツルネコノメソウは互生、そしてこの花は対生でした。
花は開き、赤褐色のおしべが8本、長方形に並んでます。

この特長を最近更新されたと発表のあったいがりまさしさんの以下のサイトで探しました。
ネコノメソウの仲間(完全版)
花の感じはタチネコノメソウとチシマネコノメソウですが、葉が対生なのでチシマネコノメソウが妥当な気がします。

同じ場所に何度も行くと目的の花だけ見てさっと歩きがちで、新しい発見や気づきができなくなるんだなぁと感じました。
戻り道でヒトツボクロに気づけたのはこの花のおかげです。








ヤマエンゴサクとジロボウエンゴサク

2022-04-11 19:37:00 | 似てる花の見分け方
昔 高尾山でよく見ていたジロボウエンゴサク。
なぜみかけないんだろうと思ってました。
調べると山梨県では絶滅危惧IB類でした。メッシュは48、51、56。
南のほうですね。

この2つのエンゴサクの違いは苞葉の形です。

普通のギザギザのない葉です。
もう一方、山梨のほとんどの場所で目にするヤマエンゴサクは苞葉の先がギザギザです。
ただ葉っぱの形はいろいろです。こんなホソバもあれば、丸い葉のものもあります。
もっと細長い葉のものも目にします。別種でもよいと思うのですが。ホソバヤマエンゴサクとか。

最近、これに加えてヒメエンゴサクという種があるということを知りました。
ヤマエンゴサクの変種です。
違いは、全体が繊細で花数が少ないものだそうです。
ヒメという種に共通の抽象的な差異です。素人考えですがよくこれで新種承認されるものかと。