山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

身近な地名のつく花 グンナイとアカイシ

2021-07-28 09:01:00 | 花探し
地名がついている植物の名前はおおいですね。
思いつくのは、イブキとかシロウマとかハクサン。

地元の名前がついているものもあります。
カイ  とか グンナイとか。

グンナイはあまりピンとこないと思いますが、山梨県の都留市などの郡内地方のことです。
よく知っているのはグンナイフウロ!  タカネグンナイフウロ!
これは私でも見分けられます。
他にもないかとYlistで検索してみました。

グンナイキンポウゲ  
これは見分けられません。山梨県の絶滅危惧IB類です。
地域はわかっているので見分け方を頑張らなくては!

あとはグンナイフウロ似たもので思ったよりも数が多かったです。

   タカネグンナイフウロ   これはOK。
   ウスゲグンナイフウロ
   シロバナグンナイフウロ   これは見たことあります。
   エゾグンナイフウロ
   コグンナイフウロ
   なるものですね〜!

ついでに南アルプス=赤石山脈のアカイシも調べてみました。

アカイシキバナノコマノツメ     初耳です。まだ会えるかも。違いを調査します。
アカイシミツバツツジ             冬に調査です。

アカイシリンドウ                   会いたい花のひとつです。山梨県のCRで環境省のENです。
シロバナアカイシリンドウ

アカイシコウモリ
アカイシコウゾリナ               この2つは近くの山にも咲いているようなので
                                        見分けるには今がいいタイミングですね。がんばります!

アカイシヒョウタンボク          たぶん花が終わっているのでこの冬 時期と場所を調査ですね。

意外に少なかったです。

こうやって地元の名前がついた花はこの地域に生息が限定されるものもあるのでぜひ見分けたいものです。









北岳の希少な花について

2021-07-19 20:06:00 | 貴重な花
北岳で一番有名な花はキタダケソウですね。
これだけを見るために登りに行かれてる方も多いです。
ツクモグサもそうですが、環境省絶滅危惧種に厳しいYAMAPも
掲載に関してなんの制御もできてない気がします。
有名な花はとめられないですよね。

山梨県のレッドデータブックを見ると
「キタダケ」がつく植物は9種類、いわくつきのヒメヤナギランを加えると10種類です。
日本のレッドデータ  検索システムのページでは13種類もありました。

この13種のうち環境省では
CR 3つになります。
キタダケテンダ、キタダケトリカブト、キタダケイチゴツナギ
人気のキタダケソウは入ってないです(笑)
この中で山梨県でもCRは、キタダケテンダとキタダケイチゴツナギで
キタダケトリカブトはENです。
このCR&CRは山梨で必死に守らないといけない植物なりますね。
キタダケイチゴツナギってあまり情報を聞きません。

EN  4つ
キタダケナズナ、キタダケカニツリ、キタダケヨモギ、キタダケキンポウゲ
またまたキタダケソウは入ってないです^^;
この中で山梨県では、
CR   キタダケナズナ、キタダケキンポウゲ
EN   キタダケカニツリ、キタダケヨモギ
になっています。

VU  2つ
キタダケソウ、キタダケトラノオ
やっとキタダケソウでてきました。

それ以外は、
ヤマキタダケ(ヒメスズタケ)、キタダケリンドウ、キタダケオドリコソウ、
そして例のヒメヤナギランです。

これを踏まえて環境省の保護柵が北岳には3つあります。
最近見た感じでは、
◯キタダケソウを守っているもの
◯草すべりの植物を守っているもの
◯右俣ルートの植物を守っているもの。
でした。

でも最後の右俣ルートの植物を守っている柵内には食害がいっぱいで
鹿が食べない植物がほとんどなっていました。いつからこうなっていたんでしょうか?
気になります。
上記の希少でも実際に歩いてみると意外にみかける植物もあります。

一番気になる山梨県の保護対策は、

希少野生動植物種のうち、知事が特に保護を図る必要があると認めて、生きた個体の捕獲、採取、殺傷又は損傷を禁止する種
指定希少野生動植物種」としています。
と定めていますが、

キタダケの名前で指定されているのは、
◯キタダケソウ
◯キタダケキンポウゲ
◯キタダケトリカブト
だけなんです。
環境省のレッドデータブックと希少性の認識が違うのでしょうか?
そうだとしたら保護できずになくなってしまいそうで心配です。

山梨の「指定希少野生動植物種」は昨年も更新され新たな植物が追加されてますが、
残念ですがキタダケのCR&CRは指定されてません。
揚げ足を取るようでなんですが、保護を図る必要はないと判断されたのでしょうか。











櫛形山の歴史に学ぶ 保護柵による植物の復活と新たな問題

2021-07-01 15:56:00 | 保護活動
櫛形山は昔最盛期には登山道の両側に腰の高さほどの草が茂り、花が切れることがなかったそうだ。
花の百名山を書かれた田中澄子さんも同様の体験をされており、新花の百名山中でその素晴らしい様子について書かれ、もう少し早くこの山を知っていたら最初の花の百名山いれたのにとも述べられていた。

その山から多くの植物が消えてしまったのはいつ頃なのだろうか?

2007年には多くのアヤメが消滅してしまったという新聞記事があった。
それは3000万本がわずか30本になったという衝撃的な記事でした。
アヤメと前後して登山道の植物もどんどん無くなっていったと思われます。

それから地元で協議会が設けられ対策が検討されました。
櫛形山を愛する会」の資料によれば
原因が鹿だと立証するための柵をアヤメ平に設置したのが2009年10月。
本格的な保護柵は、
◯アヤメ平は全域一気に2012年11月に設置されており
  これは壊滅的な被害が認められた2007年から6シーズンすぎた後で、設置から今年9シーズン目を迎えたということになります。
◯裸山周辺は向かって左の草原が2010年11月、山の斜面が2014年11月に設置されています。
   それぞれ設置から今年10シーズン、7シーズンを迎えたということになります。

先日見かけた保護柵の中と外では大きく植物の量や高さに差がありました。なのでもっとずいぶん前から設置されていたのかと思ってました。さらに壊滅的になってから割と時間がたってから設置されたにもかかわらず、ここまでいろいろな種類の花が生き残り復活してきたことはほんとうにすごいなぁと感じました。関係された方の努力のたまものですね。ありがとうございます。

昨年見た感じでは、
裸山は多くのアヤメが咲き、続いてマツムシソウやタムラソウを中心として花の草原に変わっていきました。またその中にも赤いシモツケソウ、青いグンナイフウロ、黄色いトモエソウなどが彩りを添えて  とても気持ちのよい空間を作り出していました。昔はこんな草原がいくつも広がっていたのではと思います。この山中で同じような平地があるほこら小屋周辺やバラボタン平も同じような草原だったようです。いろいろ昔の写真を見てみたくなりました。

アヤメ平は大きく保護したせいで、草原だけでなく昔の山の一部が復活しているように感じました。アヤメ平の柵を開けるときに気づく内外の大きな格差、そして柵の中の豊かな自然。小屋のまわりに敷き詰められたようにマイズルソウがあり、その中で大きなツバメオモトが咲く光景、さらにそのマイズルソウが咲き一面白い絨毯となる光景、そして両側に高く植物が生い茂る夏の光景はよかった頃の櫛形山の姿を想像させてくれます。こちらはそれほどアヤメが戻ってきてないように感じます。それよりも一面をブルーに染めるクガイソウからピンクのシモツケソウや黄色のマルバダケブキなどの色とりどりのお花畑に刻々と変わっていくさまは本当に素晴らしく、毎週通わなくちゃと思わせてくれます。
またアヤメは昔のように長い年月を経て君臨するようになるのかも気になります。

そんな中でも残念なことも起こっています。
一部の希少な花を撮影するためにロープを乗り越えていく人が多く、先日見たら大きな踏み跡ができていました。その踏み跡のところにはこの春 希少な花の幼猫があったのですが、、、。
人が大切に守り育ててきたものを簡単に踏みつけてしまう人がいるのは本当に悲しいことです。その人たちの自慢げな写真やブログ記事が今後多くの悲しい人をそこへさらに呼び寄せてしまいそうです。悪意ある人から守るのはとても大変だと思いますが対策をしないとせっかく守ってきた花が一気にだいなしにされてしまいそうです、来シーズンには。

また保護柵以外の場所の植物はどんどん減っていっています。
鹿が食べないはずのマルバダケブキは茎の上だけをかじりとられたくさん葉っぱが落ちていました。
同様に食べないはずのクサタチバナやトリカブトの葉もたくさんかじられていました。
先日はミヤマワラビを広い範囲で食べたあとが残っていました。バイケイソウもそのうちかも。
鹿の頭数が増え、食べられる植物が少なくなっているせいかもしれません。たぶん小さな植物も気づきにくいですが少なくなってきているに違いありません。コケイランやミヤマハナシノブなどすでにこの山でみることができなくなった希少な花も多くあります。山全体で守るべき植物や守るべき場所を選び出し、これからに備えていくことが必要な時期に来ているのかもしれません。