山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

アオイを見分けたい

2023-01-23 15:41:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこの写真、アオイです。

葵(あおい)は検索したらタチアオイなどの華やかな花がでてきますが今の時期見かけるのはこの地味なアオイです。
ウマノスズクサ科カンアオイ属。
カンアオイは寒葵と書いて、寒い時に葉がある常緑の植物のようです。
このアオイ一族はほかに緑や花がないせいか、今の時期から春にかけてよく見かけます。私の印象では南部の山にいくと多い気がしています。ただどこで見分けるのかよく分からず、冬に咲いているのを見かけたらすべてカンアオイと決めつけていました。

やっと重い腰をあげて今回調べてみました。
毎回参考にさせていただいている「山梨の植物誌」では以下の種がありました。
◯カンアオイ
◯カギガタアオイ
◯ランヨウアオイ
◯フタバアオイ
◯ウスバサイシン
山梨には5種類しかないなんて思ったよりも少なかったです。
「山に咲く花」のカンアオイ属の分布をみるとタマノカンアオイなどもあるのかもしれません。
このうち、カギガタアオイは山梨と静岡にしかないとされる絶滅危惧種です。環境省IB類。
図鑑見てもこの種は地域限定種が多かったです。

まず知ってるものを除きました。
ウスバサイシンは毎年春にスミレと同じように柔らかな葉が出てきます。常緑ではないのですね。
ヒメギフチョウの食草としても知られていて近くの山にいっぱいあるのでよく見ています。
フタバアオイはあの徳川家の家紋三つ葉葵のもとになったものといわれ、有名なのは水戸黄門さまの印籠のデザインですね。私は高尾山ではじめてみたときは赤い傘のような花が咲いてました。これも常緑ではないそうです。
残り3つです。

日本の野生植物には花柱の比較図があり、容易に見分けられそうでした。
また見分け方の最初が花柱の上部が2裂するかどうかでした。
そもそもカギガタアオイのカギガタは柱頭の形なんだそうです。
が花柱ってどこに???
大きな花の奥にあって確かめるには花を裂く必要がありそうです。
今回はそこまでしてません。ルーぺで外から拡大して見分けられるか次回やってみようと思いました。

違いを見つけようとよく特徴を読むと
ランヨウアオイは葉の基部の両側が耳状に張り出し    とあり、掲載されている写真をみると確かに特徴があります。
お題の写真の葉はそんな特徴はありません。
残すは2つですが、カギガタの花期は9-10月、カンアオイは10ー2月なのでカンアオイで良さそうです。
ちなみにランヨウは3ー5月、タマノカンアオイは4月なので、「冬に花が咲いていたらカンアオイ」は偶然ですが的を得ていたようです。面白いものです。

最後までおつきあいいただきありがとうございます。
間違いも多いと思ってますのでご指摘いただけると助かります。





冬の山野草探し

2023-01-21 19:41:00 | 花探し
山野草が好きな方でも冬は山歩きお休みという方は多いのでは。
私はあいかわらず冬も山を歩いていますが、私なりの楽しみ方を書いてみようと思います。
同じ山野草好きの方の参考になれば幸いです。

楽しみ  ひとつめ
いまの時期 どこの山も枯葉だらけで花がないですね。
でもよく見るともう春に向けて動いてる植物や寒い中も生き続けてる植物もあるんです。
下のような植物に出会いました。
ぱっとみて名前がわかるものもあれば、この葉なんだっけと思うものもありますね。








ネットや図鑑で調べても結局わからないものもあります。
またそういえば別の場所で見ていたことを思い出すものもあります。懸命に過去の写真をさがしたりします。
よく見かけるのはこの葉です。
絶滅危惧二類のエビネだと思います。レッドデータブックにも全県に分布とあるのであちこちで見かけるのはふつうのことかと。でもエビネの絶滅危惧種には野生絶滅のサルメンエビネや情報不足のナツエビネ、CRのキソエビネなど名前が似ていて私が見たことがない花もあります。あちこちで見かけたこのような葉はすべてエビネなのでしょうか?  また調べないと、、、

楽しみ  二つめ
今年もいくつも希少な花に偶然出会いました。もちろんはじめて歩いたルートもあれば、ネット情報を見て出会えるといいなと歩いたルートもあります。ただその多くはこれまで歩いたルートを季節を変えて歩いて出会ったものでした。レッドデータブックで生息地域とされてない場所がほとんどでした。そんな出会いは結構嬉しいものです。
そこでこれまでは歩いたことのないルート、特に沢沿いや草原があるようなところを選んで山歩き計画をつくっていましたが、今年はそれ以外にこれまで行ったことのあるルートの季節を変えたり、数週間ずらす計画を考えています。レッドデータブックの生息地域に近い場所で開花時期を考えて計画したり、これまでの出会い場所をもとに近くを歩く計画をつくったり楽しいものです。自分の仮説をたてて検証する、ずっとやってきたことなんです。まあ希少な花なのでホイホイと見つかるとは思いませんが会えるかもと思うと楽しいですよね。


楽しみ 三つめ
近くの南アルプスや八ヶ岳って昔はどうやって登りに行ってたんだろうと思いませんか。
そう思って図書館で少し古そうな山の本を読んでいたら少し花のことも書いてありました。
八ヶ岳の花なんですが、写真見たらキリガミネがついた花がいっぱい!
キリガミネアサヒラン、キリガミネスミレ、キリガミネアキノキリンソウ、キリガミネトウヒレン、キリガミネキンバイソウ、キリガミネネスゲ、、、
こんなにあったっけ???
もちろんヤツガダケもアザミ、タンポポ、キスミレ、キンポウゲなどなど
詳しい方が書かれているようで既存品種との違いもあったりして楽しいです。またおおまかな場所が書いてあったりもしました。南アルプスではクチバシシオガマというのも見つけました。
これらの花は今はどんな位置づけなのか、なにが既存品種と異なるのかなど調べるとあちこちに派生して、、、
まだ夏の高山植物が見られるまでには時間がたっぷりあるので、芦安の山岳館などに行って昔の山の本を見たりして新しい謎の花を発掘したり調べたり、行く行くは夏に探しに行ってみようと思います。
つい最近の発見は甲斐駒ケ岳にこちらから登るルートに昔は黒戸山以外に尾白川経由もあったと知って、そのルートにどんな花が咲いてたか記録は残ってないかなぁと探していたりもします。花多そうですよね。

調べれば調べるほど知らない花が増えていくのは知識不足せいですね。
まあ三歩進んで二歩下がっている感じですが少しでも前に進んでいければ楽しいかと。

最近の山歩きの楽しみといいながら、家や図書館での楽しみも書いちゃいました。
参考になれば幸いです。
でもこうやって見て思うのですがなにかに書いて残すってことはほんとに大事ですね。




絶滅危惧種とそれを守る動き

2023-01-15 18:20:00 | 貴重な花
山梨県の絶滅危惧種はレッドデータブックにまとめられています。
最初が2005年版、次が2018年版になります。
2018年版はその後のアップデートも含めて県のHPで公開されています。
三年間の調査の結果だとあり、関係者の大変なご苦労のたまものだと感じます。
ありがとうございます。

本も販売されていますが、現場で確認することも多いため私は名前やランクをair tableでデータベース化しています。
そこに一緒に人から聞いた話やネットで見かけた情報などを加えています。
見つけるためというよりも現場で希少性を判断するためです。
山梨県のレッドデータブックでは二次メッシュで生息場所を示されています。また2005年には生息していたが2018版調査の際に確認できていない場所も記されています。
なので生息するとされる二次メッシュ以外の場所や今回の調査で生息確認できていない場所で見つかった場合は貴重な情報だと私は考えています。

ただ残念なことにこうやって希少性のランクづけを行なっているレッドデータブックは減少の要因分析はされていますが、これに基づいてどのように保護するのかまでは決まっていません。貴重な絶滅危惧IA類があると知られている場所でも鹿害や人的被害から守られていないところがほとんどです。ましてやレッドデータブックを元に絶滅危惧種を探しだしてSNSなどに場所などについて公開される方もいたりして、このレッドデータブックが希少種を守ることになっているのか怪しいと個人的には感じています。実際によく目にするように植物や写真の愛好家によると見られる生息地の踏み荒らしが年々増えてきていますが、人の踏み荒らしはこのブックの要因にはあがってますが個別種の要因にはあまり盛り込まれていません。

最近見かけたお隣の静岡県のレッドデータには対応方針が明記されています。
p27と28に書かれています。読むと一見鷹揚な策に思えますが、実際に希少種の減少に遭遇した場合、なにをすべきなのか考えるもととなると思いますし、実際に行政に働きかけるもとになると考えられます。山梨にもぜひ欲しいものです。

一方、あちこち歩いていると偶然これ以外の種を見つけたり、二次メッシュ以外の生息場所を見つけることも少なくありません。またよくご存知の方からそういうことを教えていただくこともあります。そういった県内にある情報を集めればいいのにと思っていたのですが、先日それはすでに着手されているのだということがわかりました。
山梨県の植物研究の中心である山梨県植物研究会の「山梨植物研究」のNo.34(2021)を県立図書館で拝見した時にそこに絶滅危惧種危惧種に関する調査を継続されていることが記されていました。
2021年の確認報告は290種910件、うちレッドデータブックに記載のないものが33種59件あったそうです。
また毎年重点種(2021年は50種)を決め、過去や新しい情報の生息場所の確認をされていました。
また生息場所は二次メッシュではなく、GPSデータ基づいた三次メッシュで管理されていました。
こういった積み重ねが現状を常に最新の情報で確認できていると感じました。
私の目撃例もうまく伝えられるといいなと思います。

希少な花を山などでよく見かけますが、このレッドデータブックが希少な花を守り、将来に渡ってつなげていくことに役立っていくことに少しでも協力したいなと感じています。






我が家の庭 冬の陣

2023-01-08 20:25:00 | 庭の花
我が家の植物について定期的に記録してみようと思います。
12月から最低温度はマイナス7℃、明日の朝はマイナス6℃。
すっかりユニクロのヒートテック、最近は極暖のお世話になっています。
そんな庭で八ヶ岳おろしに耐えてる植物を紹介します。

1、山野草     ロゼッタも含めて
   オオイヌノフグリ、ホトケノザ、キュウリグサ、カキドオシ、ノコギリソウ、ヤハズエンドウ、ベンケイソウ二種
   クローバー、オキザリス、ベニバナ、アカバナユウゲショウ、ミドリハコベ、ツタバウンラン、彼岸花、ノビル
   ヒメオドリコソウ、セイヨウタンポポ
 ※ここはずっと同じメンバーですね。まあ枯れていてもまた蘇るスミレたち(ノジがおおいです)もいます。
   

2、園芸種
   フユシラズ、レースフラワー、ヒメリュウキンカ、スイセン、菜の花、花菱草、ツルニチニチソウ、レモンバーム
   ミント、ムスカリ、宿根アスター、菊、ガウラ(白鳥草)
※今年はまだフユシラズががんばってるし、ヒメリュウキンカが去年は3月出てきたのに今年は12月からでてがんばってます。霜よけに少し上に枯れ草をかけてるのも効いてるかもしれません。毎年のことですがレースフラワー強いです。

3、野菜など
   そのまま                        エシャロット、長ネギ、イタリアンパセリ、パクチー、ニラ、チヂミホウレンソウ、大根
                                      イチゴ、ミツバ、フキ、ミョウガ
   マルチ                           玉ねぎ、にんにく
   トンネル、ビニール温室     ホウレンソウ、青菜、サニーレタス、チンゲンサイ、水菜
   土の中  保存                    だいこん、長ネギ、じゃがいも(種芋)
 
※今年一番変わったのはここです。秋からでてきたパクチーが寒い中 霜を浴びても枯れずにいます。イタリアンパセリもです。今年はじめて植えたチヂミホウレンソウも霜に強いです。
また目が行き届くように2階から庭に移動させたビニール温室もサニーレタスが育つなどいい感じです。朝は氷点下、昼は30℃越え(なので晴天のときの昼は熱を逃してます)です。 猫草が芽をださないので発芽には向かないようです。
これまでの長ネギ(購入したもの)加えて、今年は我が家の大根も凍る前に収穫して土の中保存してます。こっちもいい感じです。
   
 といっても一番寒いのは2月、朝マイナス10℃になったり、八ヶ岳おろしがものすごい強さで何日も吹き続ける日があります。
土の中のダリアやアマリリスなどは上に枯れ草や落ち葉を重ねています。
さて二ヶ月の春はどうなっているのでしょうか、楽しみです。