山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

マイズルソウとヒメマイズルソウ

2022-02-09 16:07:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれマイズルソウです。


数年前マイズルソウにヒメと名がつくものがあることを知りました。
命名でよくある「ヒメ」という接頭語、小さいものを指していることが多いですが
芽がでて伸びていくときも小さいわけで見分けにくいものも多いです。成体を並べて比べればわかるのでしょうが実際には一緒に生息してないことも多く難しいです。

前置きが長くなりました。
まずヒメマイズルソウはYlistに標準として載っていました。
そこに示されていた成書の平凡社「日本の野生植物」によれば特長は、
◯葉が細長い
◯葉の裏面、茎の上部、花序に柱状の突起毛が多い
◯葉縁に微小な鋸歯がある
姿が優しいので「姫」とつけたとありました。
ただ平凡社の図鑑に載っていた両方の写真を見比べても特にヒメの葉が細いと感じませんでした。
なので葉が細長いはポイントにしないほうがよさそうです。残りは毛と鋸歯です。
マイズルソウは毛について、茎に毛がないとだけ書かれていました。残りの葉の裏面や花序についての毛の記載はなく、ないのか、あるいは別の毛があるのかわかりません。なので「茎の上部に毛がある」はポイントにします。
葉縁の微小な鋸歯はよく見るマイズルソウは縁はスッとしているのでポイントになりそうです。微小というのがどのくらいかはわかりませんが、、。

さてお題の写真ですが右の花の葉の一番上の尖っている部分に小さな鋸歯があるように見えます。これが「微小な」なのでしょうか?
別の山の写真を探してみました。
花序や葉柄、そして葉裏に毛がたくさんあるのがわかります。葉縁は毛がたくさんあるのはわかりますが微小な鋸歯かどうかはここまで拡大していてもわかりませんでした。最初の写真の鋸歯のように見えたのは裏面の毛だったのかもしれません。ただこの2つとも特長からヒメということになります。稀と書いてあったのに、、、
他を探してみるもなかなか見つからない。最近あまり撮ってないせいだ。
はじめて見た時の写真を見つけました。長野県の北のほうの山です。


上は花序に毛がありませんが葉の縁に小さな小さな鋸歯がありました。
下は花序や葉裏には毛がなく、葉縁も鋸歯はなさそうです。これが一番マイズルソウですね。

稀なヒメマイズルソウを見つけるポイントを明確にしたら、ヒメっぽいものばかりが見つかったという意外な結末になりました。今年もう少しマイズルソウをよく観察してはっきりさせようと思います。