ミルクレゥプのカルボナーラの逆襲2112 その時、納豆にネギも付いてほくほく

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梅田サイファー「キングオブコント2022 オープニング」

2023-01-30 12:34:56 | 邦楽ネタ
「梅田サイファー」という
大阪・梅田駅で行われていたサイファー(※)の参加者から派生したヒップホップグループが居るのですが、
先日「ラヴィット!」でも紹介されていた、
「キングオブコント2022 オープニング」が実に素晴らしいので紹介がてら貼り。
(※複数人のラッパーが輪になって即興でラップし合う事)


◆【公式】キングオブコント2022 オープニング

日本語ラップの素晴らしさ&可能性が凄く詰まってる!!
素直に上手くて熱くて巧くてクールでセンスフルでニヤニヤ出来て実にドープ!
各々ラップに個性&魅力があってカッコイイ&興味深いですし、
2つの意味があるリリック(ダブルミーニング)なんか最高に上手くて巧い!
パンチラインだらけ!!
韻の踏み方が多彩でセンスに溢れてるのは勿論、
コンビ名やトリオ名や芸人さんの名前やエピソードを掛けたりと、
知ってると「ニヤリ」と出来る部分もありますし、
しっかり芸人さんの紹介を兼ねてるのが実にお見事!凄い!
個人的には「かが屋」さんと「ネルソンズ」さんと「ビスブラ」さんのリリックとラップ好き!!
(※追記補足:上記した3グループで分かり易い部分だけ書き出すと、
「かが屋」さんは以前にCreepy Nutsの「バレる」のMVに出演してますし、
「COME BACK」は加賀さんが休業から復帰した事と3年ぶりにキングオブコントの決勝に帰ってきた事を掛けてます。
「ネルソンズ」さんはメンバー全員の名前が入ってます。
(軋=岸健之助、まん重=和田まんじゅう、フォール勝ち=青山フォール勝ち)
「ビスブラ」さんは昔のコンビ名(暴れ人)と二人の名前(キング=きん、Tiger=原田泰雅(たいが)と
YouTubeのラジオのOPの曲&ネタが入ってます)
結果的に今回の大会のキーワードになった「暗転」が偶然にも使われてるのも素晴らしい!
大阪という土地柄もあるのか知りませんが、
カッコイイと共にユーモアに溢れてる…面白くてカッコイイし、
同時に人情味や熱さもあるんだよね~最高!!


一般的にヒップホップのイメージは、
不良だったりタトゥーだったり悪いイメージがあるようですし、
以前は技術的に拙い物も多くあったのもあり、
未だに海外のヒップホップ好きの一部は日本語ラップを認めようとしませんが、
「Creepy Nuts」の成功で一般にも裾野が広がって来ましたし、
海外の物真似や変に格好付けてる感じでは無い、
日本独自の一般の音楽ファンにも受ける、
ポップでドープで小洒落たラップが多く出て来始めたと思ってるんだよねー!
上記した「梅田サイファー」や「Creepy Nuts」なんか最たる例ですし、
ヒップホップから最も離れていると思われていたアニメファンも
「ヒプノシスマイク」でラップの虜にしたように、
(ちなみにヒプノシスマイクのいくつかの楽曲には梅田サイファーも関わってます)
個人的にはこの方向性が日本語ラップの一つの進む道であり、
ヒップホップを更にメインストリームに推し進める手段の一つだと思う。


というのも、
アメリカで人気のある黒人発のラップのリリックは、
良くも悪くも日本人には共感し辛い物が多い。

貧困の中で育って犯罪が日常茶飯事だった事から、
生活の為に窃盗や強盗やドラッグの売買などの犯罪を肯定するものや、
目の前で警察に一方的に暴力を振るわれて、
友人が強引に逮捕されたとか殺されたとか、
父親が犯罪で捕まって刑務所に入っているとか、
父親が死んでる(殺されてる)ので顔を見たことが無いとか、
ギャング同士の抗争に巻き込まれて友人が目の前で銃で殺されたとか、
警察の差別や暴力行為に対しての批判は勿論、
報復してやった的な物までありますし、
平和な日本人には一般的には中々共感しにくいものが多い。

勿論、日本にも貧困の中で育ち、
生きる為に窃盗など犯罪行為をした人は居るでしょうし、
親が犯罪を犯して刑務所に入ってる人や、
警察に悪意を向けられて一方的に暴力を振るわれた人などなど、
貧困層の黒人と似たような境遇や経験をした人も居るでしょうが、
いかんせんアメリカとは分母の数が圧倒的に違う。
日本でそういう境遇の人は多く見ても一万人にも満たない。
一方アメリカでは歌詞に共感するような境遇の人が少なく見ても数十万人は居る。
そして数日前にもあったようですが、
警察の黒人への差別から来る一方的な暴行や暴行死は一向に無くならないし、
黒人の犯罪も減る気配はないように、
黒人ラッパーの書くリリックは、
現代のアメリカの社会問題を皮肉なまでに映し出してる。

日本でも黒人が書いてるようなリリックのラップもありますが、
「Tyler, The Creator」が出て来た辺りから、
2つは勿論の3つの意味を込めたリリックなんかも増えて来て、
(そのままでも読めるけどスラングや何か他の事も掛けて別の解釈も出来る)
更に知的というか複雑になって来ましたし
「Kendrick Lamar」に代表されるような、
社会的で知的で文学的だったりユーモアもある感じとは違いますし、
「Vince Staples」的な全ての人間を揶揄してる&達観してるような
知的でダークで皮肉を幾重にもしてるような感じでもないように、
現状ではああいう路線ではちょっと力差が違い過ぎるというか、
日本語では難しい部分が多過ぎるのもあり、
日本でアメリカみたいにヒップホップをメインストリームの音楽にするなら、
現状ではポップさとキャッチーさを備えつつ、
ヒップホップが持つ格好良さと面白さを共存させる感じの小洒落たリリックのラップか、
誰もが抱えるような悩みや不安などを入れた内省的なリリックのエモラップ的なものなのかなと
思ったり思わなかったり…


Kendrick Lamar - DNA. (Lyric Video)


Vince Staples - Yeah Right feat. Kendrick Lamar (Lyric Video)


Tyler, The Creator - Yonkers (Lyric Video)

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2 コメント

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Unknown (angeloprotettoretoru)
2023-01-30 13:35:04
こんにちは☀️
うちの息子もCreepy Nutsが好きで一緒に車に乗るとよく聞かされます。
いいと思います。いいと思うんだけどなんかモヤモヤもしますね。
日本の若い世代だって十分オヤジ世代や爺さん世代のせいでひどい目に遭ってるし、日本だって社会の闇や差別や欺瞞や広い意味での暴力に満ち溢れているのに、ラップのメインストリームにそういうの足らなくないですか?
文学性とか毒もまだまだ足りない気がして……まあそうやってヤバいこと見ないようにしてるうちに、うちらみんな滅びちゃうのかなあと。
返信する
コメント返信 (ミルクレゥプ)
2023-01-30 14:32:46
コメントありがとうございます。

自分も明らかに足りないと思いますがヒップホップに限らず売れてる音楽がそういう毒が無いものばかりですし、
何十年もそういう状況が続いてるだけに残念ながら変わらないでしょうね…
今の子の方が昔より賢い所あるので達観してるというか既に諦めてるのかもしれません…
個人的にはそういう文学性あって毒あるのとか好きなんで増えて欲しい所ですが…

なお個人的には音楽より芸人さんの方が世の中を変える力があるんじゃないかなと思ってます。
ナイツさんや爆笑問題さんの社会風刺ネタの毒舌漫才はずっと人気ありますし、
去年のM-1で優勝したウエストランドさんも毒舌系ですし、
今は高学歴の芸人さんも多く居るので、
これから毒舌系がTik tokなんかで流行ったりしたら少しは良い方に変わるんじゃないかなと。
まあ希望的観測の域は越えませんがw
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