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京都逍遥

◇◆◇京都に暮らす大阪人、京都を歩く

『能へのいざない-能でめぐる京都の史跡と文学』

2009-09-08 22:49:23 | アート・文化

新聞に載っていた講演『能へのいざない』を聴くため、佛教大学四条センターに行ってみた。

HPによると、それは四条烏丸交差点、三井住友ビルの4階。最高に良い立地だ。この写真は、交差点南西角から写したもの。三井住友銀行にはよく行くのに、こんなところに生涯学習の拠点があるとは知らなかった。

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烏丸通入り口からすぐのエレベーターで4階へ。受付、会議室の他に、喫茶・図書コーナーもある。本棚に並ぶ仏教関係専門書は、さすがだ。仏教大事典、知恩院資料集、仏教美術集・・・それに岩波の新日本古典文学大系も。大学図書館並みとは言えないが、普通の公立図書館では揃わないような専門図書が並んでいる。調べ物があるときは、ここに来よう。

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講座は殆ど当日申込制で、定員150名(例外講座あり)、受講料は1000円/回(無料講座あり)。一時間前から受付を始めるが、今日の講座は70人ぐらいだったろうか。初回受講時は、申込書に記入して受講会員証を受け取ってから、受付手前の自動販売機で受講券を購入する。受付で会員証を示し、券を渡して入場。受付で金銭の授受の必要がなく、合理的なシステムだと思った。

夏期講座は、「現代社会を生きる」「仏教を極める」「教養を深める-京都」「教養を深める-歴史・民族・伝統」「教養を深める-文学・芸術」「つどうふれあう」「イベントサークル」「特別企画」のカテゴリーに分かれている。単発モノから月1講座、数ヶ月毎の講座とさまざまなタイプがあり、合計55種類。内容は、京都と仏教で半分ぐらいを占める。事前申し込みが必要ないので、気に入ったものだけ、時間のある時にふらっと来ることができる。

さて、今日の講座は、『正尊』を題材に、観世流能楽師シテ方の河村晴久氏によるものだった。背景の解説の後、録画を飛ばし飛ばし見ながら、説明が入る。作者は、観世小次郎長俊。どうやら、素材をコピーアンドペーストした謡曲らしい。講師は、その素材『平家物語』『義経記』『玉葉』などから、朗読して下さるのだが、これは、手元に資料が欲しいところ。ここのところ通っている大槻能楽堂では、講演レジュメがあり、理解の助けになる。ここでは、その他の講座でも、レジュメや資料は配布されないのだろうか。

『正尊』は、派手な立ち回りがあり、その中で前転や「仏倒れ」(反り返って仰向けに倒れること)が幾度となく見られる。

「怖いので、転ぶのは練習しません。本番だけです。」

また、演者が舞台から退場したように見立てる、後ろ向きに座った姿勢については、こんな風に。

「辛いです。前を向いていたらお客様が見えて、緊張感があって良いのですが、後ろを向くと、それが見えない。気を抜けないので、辛いです。」

意外だったり、なるほどと思わされたり。演者にしか聞けない話、そういうものは確かにある。