京都コンサートホールでの演奏会「シフ・ミーツ・モーツァルト!」。
*チラシ
*入口近くの看板
曲目は次の通り。
・ピアノ協奏曲第23番イ短調 K.488
・交響曲第40番ト短調 K.550
休憩をはさんで
・歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
・ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
どれも有名曲で、聴きやすい。モーツァルトにそう興味はなかったが、サー・アンドラーシュ・シフという弾き振りをする演奏家を知らなかったので、年度最後を締めくくる演奏会として、行ってみようと思ったのだ。管楽器についてはキレに物足りなさを感じたが、その分、弦楽器が引っ張るタイプのオーケストラ(ただの素人の感想です)。最初の曲が始まってすぐ、ああ、これが円熟のピアノ演奏というものか、と感じた。大げさな表現をせず、かといって鍵盤をなでるような弾き方でもなく、軽い指の動きでモーツァルトらしい穏やかな優しい音楽が奏でられる。癒しのコンサートだ、と思った。巨匠ホロヴィッツの晩年の演奏をCDで聴いたとき、全く好きな音ではないと感じたが、シフ氏のピアノは、かなり好きな音である。これまで聴いた演奏会での弾き振りと同様、どちらかに専念してほしい、忙しい、とは思うが。バーンスタインの ”In a concerto, who is the boss, the soloist or the conductor,……”の件を想起するに、曲の解釈においてソリストの考える演奏にするという意味では、弾き振りもアリなのだろう。
なんと、アンコールは3曲。今日の演奏会の中で私にとってのベストは、アンコール最初のBACHピアノ協奏曲第1番ニ短調第1楽章だった。曲が好みというだけでなく、ピアノの熱量も、オーケストラの演奏も最も良かったように思う。
* ↑ アンコールに応え、3曲目を弾く直前の様子
* ↓ 3曲目を弾き終わり、拍手に応えるところ
↓ さらに拍手が鳴りやまず、もう一度袖から出てきて、鍵盤の蓋を閉め、戻っていった。
グールドのブランデンブルク協奏曲が思い起こされ、帰宅後DVDを観た。古い録音のようなまるみを帯びたオーケストラの音(いい感じに空間を包んでいた)のせいかもしれない。本も読みなおそう。またしばらくグールド漬けになりそうだ。