京都市内を流れる「鴨川」は、東からの「高野川」と、西からの「賀茂川」が今出川通の賀茂大橋で合流したものである。伏見で桂川と合流して「桂川」と名を変え、さらに山崎で宇治川・木津川と合流し「淀川」となって、大阪湾に注いでいる。
起点は、九重桜で有名な常照光寺のすぐ南、桟敷ヶ岳から流れるいくつかの川。北区雲ヶ畑の出合橋で合流して「鴨川」となり、北区神山の山幸橋で鞍馬川と合流してから「賀茂川」と呼ばれる。貴船神社奥宮の創建伝説(淀川を北上して船が着く所に社殿を建てよ、という玉依姫のお告げ)にある通り、鞍馬川は、上流で貴船川と合流している。
この鴨川、河川敷は両側に歩道があり、ベンチもところどころに設置されている。カップルの多い夕方以降は外して、暑さ・寒さの気にならない季節に、ここを歩くことがある。桜の季節以外は、歩くために歩く。それほど楽しい散歩コースではないが、上流を見晴かし、下流を見渡せば、ビルや人波から離れて自然の中にいるような気がするのだ。
四条の書店を覗いてから、久しぶりに四条大橋を歩いてみた。写真は、四条大橋から上流を望んだもの。そうだ、納涼床(5月~)は、9月になってもまだ、あるんだった。
因みに鴨川の川床は「かわゆか」、貴船や高雄の川床は「かわどこ」と言う。3年ほど前、鷹峯で予約した床は、激しい雨で台無しだったことを思い出す。
川に、建物も空も映り込んでいる。鴨川、こんなにきれいだったんだ。そういえば、能面打ちをしている知人が、鴨川でオオサンショウウオを見つけたと話していた。橋から下を眺めると、浅い水の流れの中で、魚たちが動いているのが見える。
そろそろ帰ろうと、バス停に向かう。四条河原町の交差点には、ビラを配る人多数。いつもなら頭を下げてやり過ごすが、その声に思わず手を出してしまった。「ルーヴル美術館展の割引券で~す」。手には100か200か、割引券の束。腕に提げた紙袋には、まだまだ入っているのだろう。改めて見てみると、主催は両美術館に加え、読売新聞社と読売テレビ。27日の展覧会終了前の追い込みのようだ。黒と金の二色刷りの「割引引換券」。交差点の東西南北で配る4人のバイト料と、印刷代に対して、割に合うものなのだろうか・・・。新聞社なら、紙も印刷も安いということか。でも、割引額はたった100円。どういう目算があって、こういう販促を・・・。費用対効果を知りたいものだと思った。