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ザルツブルク音楽祭でのベームによるシューマン

2014年10月06日 23時01分33秒 | シューマン
昨日は、台風18号が接近する中、岡山で亡き叔父の49日忌に行ってきました。かなり風雨がきついだろうと思っていましたが、ほとんど雨も降ることなく無事終わりました。そして、久々にVANのお店に行って、ネクタイを買いました。売り切れだったのですが、店長さんに頼んで、在庫がないかと捜してもらいました。なんとか1つ確保でき、喜んだ次第です。そして、いつものように、ラーメンをいつものところで食べて、帰路についたのでありました。

ということで、今回はカール・ベームのライブであります。1969年8月17日のザルツブルグ音楽祭での演奏です。この日のプログラムですが、まずベートーヴェンの交響曲第4番、マーラーの「さすらう若人の歌」、そしてシューマンの交響曲第4番であります。「さすらう若人の歌」の独唱は、クリスタ・ルードウィヒ。管弦楽はVPOであります。この中で、マーラーはベームとしてはめずらしいですねえ。ベームのマーラーは、交響曲では見たことありませんからねえ。

まあ、こんなプログラムの中で、シューマンというのも、それほどベームの演奏で聴いたことがありませんでした。おそらくは、交響曲もこの第4番しか録音はないと思います。他にピアノ協奏曲のライブ録音がいくつか残っているくらいです。そしてこの4番ですが、他に同じザルツブルク音楽祭の1975年のロンドン響とのライブと、1978年11月27日のVPOとのスタジオ録音があります。ベームってシューマンやメンデルスゾーンやリストなどは、あまり演奏しなかったんでしょうねえ。

でも、シューマンの4つの交響曲ってどれもいいですよね。この交響曲第4番ニ短調作品120ですが、この曲は、1841年6月に作曲に取りかかり9月9日に完成し、9月13日の妻クララの誕生日に彼女にプレゼントしたそうです。第1番に続く二曲目の交響曲として作曲されたが、初演ではそれほど評価されず、十年後に改訂がなされ、出版されたのは、1891年となったために第4番とされているようです。

それで、このベームの演奏ですが、まず、ベームらしい構造のしっかりとした美しさが感じ取れます。そしてたいそう堂々とした風格さえ感じます。シューマンの曲には、元来スケールの大きさを感じる部分があるように思うのですが、ベームの演奏からは、それが虚仮威しではなく、心底からの偉容を感じることができます。加えて、ベームがまだ70歳代前半の頃のライブであり、ここには、壮年期に聴かれたようなエネルギッシュで集中力に満ちた演奏がありました。これによって、先ほどの風格や偉容が一層高いステージとなっているのですね。そして、はやりVPOであります。ライブらしいキズがないわけではありませんが、やはりベームとVPOのコンビは他に代え難いものがありますよねえ。

第1楽章の冒頭から堂々出だしで、曲の展開が期待できます。多少の陰鬱さも絡みながら、主部への期待がふくらみ、シューマンらしい主部に突入。ベームは重厚さと覇気が合わせ持ち、そしてゆったりとした中にも熱気に満ちた演奏を展開しています。シューマンらしさが実にうまく表現されています。第2楽章、必要以上に暗くならず、むしろ伸び伸びとした援徐楽章。ベームはたいそう生き生きと演奏。木管が美しい。第3楽章スケルツォ。躍動感と活気にあふれるところは、ライブらしい。そして、中間部との対比が明解に演奏されるところがいいです。第4楽章、序奏の雄大な盛り上がり、そして主部に入っての堂々とした展開は、ここでもシューマンらしさが滲み出ながらの、ベームによる壮大でスケールの大きな演奏であり、実に心が洗われるようであります。私的には、非常にドイツ的な演奏であると思っています。

こんなベームのライブは、けっこう残されています。これも貴重なものであり、スタジオ録音では聴けない演奏であることも有り難いものですねえ、ほんとに。
(ORFEO DOR 522991 1999年 輸入盤)

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2 コメント

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Unknown (クレモナ)
2014-10-07 21:21:17
このCD、少し前に中古品で入手しました。このCDを入手したときに、一緒に、ムーティ/VPOのフィリップス盤を購入しており、先にこっちを聴いてみました。ムーティ/VPOの演奏はどれも素晴らしく、特にフィリップスに録音したものは良いですねえ。
ああ、ベームですが、シューマンは珍しいので買ったのですが、第4番は私の中では、やっぱりフルトヴェングラーなのです。この、グラムフォン盤は音質が良く、最もこの曲の良さを感じさせるものです。フィルアップのハイドン/交響曲第88番も名演ですので、このCD、手放せない1枚です。
ベームに戻りますが、やはりこの人もライブになると燃えるようですね。セッションの時のカッチリした演奏も良いですが、このCDのような感興の乗った演奏も好きです。ベートーヴェンの第4番もクライバー並みに?燃えていますね。
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2014-10-11 21:53:11
クレモナ 様、コメント感謝です。ムーティとVPOは、ほんとうまくあうというか、いい演奏がありすねえ。モーツァルト、ブラームス、シューマンの交響曲をVPOと演奏したCDがありますので、それもけっこう安いBOXで出てますので、近々買おうと思っています。いや~、これまで知らずしたので、後悔しております。シューマンの4番は、確かにフルトヴェングラーの名盤がありますね。私的にはヴァントも好きです。ベームは、もちろんですが、ライブはほんとにいい演奏になっていますよね。また、ご教示ください。
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