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深まる秋にシューマン その2

2017年11月13日 23時09分59秒 | シューマン
過日、京都に所用で行きました。四条河原町から高瀬川沿いの木屋町通りを北へ。このあたりは「本間精一郎遭難地」「土佐藩邸跡」」「池田屋騒動之址」「大村益次郎遭難之碑」「武市瑞山先生寓居跡」になど幕末の史跡がたくさんあります。その昔、受験で京都に宿泊したときのホテルがこのあたりで、こんな石碑をみて、京都はいいなあ、と熱く思ったことを思い出しました。京都の大学に行きたい!。京都で大学生活を!と夢見ていました。でも、なかなか夢は実現しませんねえ。

昔話はさておき、今回はシューマン。弦楽四重奏曲第3番イ長調作品41の3であります。弦楽四重奏曲というのは、スカルラッティが起源とか。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの古典派で受け継がれ、やはりベートーヴェンがこのジャンルを大成させたんでしょうね。しかし、その後は、ロマン派ではシューベルトはたくさんでしたが、このシューマン、ブラームスがそれぞれ3曲。ドヴォルザーク、バルトーク、ショスタコーヴィッチなどがたくさん残しましたが、まあ、そんなもんなんですよねえ。

シューマンは、この3曲を「室内楽の年」と言われている1842年に出版(作曲は1841年)され、1843年に初演ということです。四楽章からなりますが、第2楽章にスケルツオ、第3楽章にアダージョの援徐楽章という形式。ベートーヴェンの後期の作品の影響も色濃いと言われています。
この曲は、けっこう旋律が美しい。まあシューマンらしいそれなんですが、ドイツの弦楽四重奏ってとこでしょうか。

さて、この曲の演奏なんですが、それほど種類があるのかは十分認識していないです。第1番をドロルツ四重奏団で取り上げたので、今回はエマーソン四重奏団あたりでと思っていたのですが、どうもドロルツのほうがいいな、とおもうことしきりでした。ということで、ドロルツ四重奏団による演奏です。1966年3月、ベルリンでの録音。この四重奏団は、BPOの第1ヴァイオリン奏者だったエドゥアルド・ドロルツにより、1950年に結成。50~60年代に数多くの録音を残しましたが、73年ドロルツの死去により解散しました。                                                              演奏は、ドロルツのヴァイオリンですねえ。しっかり旋律を歌わせて、抒情的な美しさに満ちています。シューマンの旋律のよさが伝わって来ます。この曲は全体的に旋律に魅力があります。それをドロルツは、けっして大仰に歌い上げるのではなく、気持ち抑え気味であり、それはさすがにドイツのSQであります。かといっても、この曲の美しさは、十二分に実感できるのであります。そして、ドロルツの存在感が大きく、4人で一緒にやりましょう、ということではなく、ドロルツがグイグイ引っぱっているってところでょうか。といっても、他の奏者も負けず劣らずで、派手さはないのですが、その充実振りは全体のレベルを上げています。

第1楽章、冒頭から印象の残る旋律。これを抒情的に歌い上げているのが、この演奏の魅力でしょう。そして、4つの弦楽器は実になめらかで優しい音色で歌い上げています。第2楽章スケルツォ。無機質的な響きであるが、演奏は緻密に進み、対位法的な表情も厳格に歌い上げています。
変奏曲の展開もいいです。第3楽章。最も美しい楽章。こんな援徐楽章は弦楽四重奏の魅力にあふれています。感情をじっくり歌い上げていく中に、スキはありません。そして第四楽章。祝祭的なムードでの軽快な演奏であり、強く残る印象が、このSQの面目躍如ってところでしょうか。

しかし、自宅から京都までは2時間ほどかかります。車でいくのも大変なので、なかなかつらいところであります。
(DG PROC-1468/9 TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION 2014)

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