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こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

オッター、パーセルを歌う。

2025年07月06日 23時54分00秒 | その他の作曲家
今季ペナントレースも半分を消化。最下位をひた走るマリーンズであります。球宴にも一人も選ばれず、残るは監督推薦のみ。まあ一人くらいは選ばれるだろうと思い、それなら誰?。藤原、寺地、山本から一人かなあと予想。本命は藤原だろう。でも寺地も同じほどの打率。加えてここに来て急浮上が山本。昨日も2HR打ち、10号となる。うーん、誰だ、とまあ他球団フアンからするとどうでもいいことを思案。一方多くの人は、この三人とも知らなかったりして…。

まあ、そんなことはさておき、うれしいことに今年の12月11日西宮芸文でアンネ・ゾフィー・フォン・オッターの「聖なる一夜」と題したリサイタルがあるんです。今週末がチケット発売になります。私はもう30年以上前がら熱烈なファンでありまして、もう必ず行こう、と決意しております。小ホールでの開催なんで、いい席をゲットしようと思っております。

オッターを最初に聴いたのは、このブログでも取り上げたグリーグの歌曲集でありました。おそらく1990年代半ばでした。そもそも私は女声のメゾ又はアルトが好きなんですね。ヘルタ・テッパー、ジャネット・ベイカーなども大好き。オッターもその前後から、歌曲やオペラなどに多く出演し、そのたびにCDを買ってきました。以前はあまり聴かなかったバロック期の曲もたくさん歌っており、そんなのも好んで聴いてきました。友人からは、美人だから好きなのでは、と言われましたが、クライバーの来日公演での『ばらの騎士』でオクタヴィアンや、『カルメン』は記憶にあますが、実際に歌っている姿ってほとんど観たことないのですね。歌手は外見なんてどうでもよく、断然歌声が重要なのは当たり前であります。この発言は却下であります笑。

それで、オッターのCDから、今回はパーセルの『ディドとエネアス』であります。このオペラ,1680年頃に初演されました。全曲でも1時間弱。パーセルの作品の中でも、非常に有名なものです。とは言え、いわゆるバロック・オペラ。ヘンデルなどの作品に比べてもなかなか耳に馴染まない。加えて手元のは対訳もない。となればもう絶対音楽のように、約一時間の演奏をひたすら聴くしかないですね。でも、こんなパーセル、一度よさがわかればどんどん入っていけます。

この曲の演奏は、ホッグウッド、クリスティ、ミンコフスキーなどの名盤がありますが、ここでは、オッターがディドを歌うトレヴァー・ピノック指揮のイングリッシュ・コンサートの演奏。1988年7月ロンドンでの録音。オッターの他に、リン・ドーソン(S べリンダ)、スティーヴン・ヴァーコー(B バリトン)などです。カルタゴの女王ディドとトロイの王子エネアスの悲恋の物語ですが、まあ短いものなので、それはそれということで。

このオペラ、全曲を通して、それぞれ場面が非常に特徴的。ピノックの演奏も非常の折目正しく、古楽の美しい響きが、これまた澄んだ美しさにあふれた歌唱を巧く引き立てます。ピノックの演奏は、非常に正統かつ堅実。私的には大好きであります。そして、表情も非常に豊かで、お話がわからなくても、その様子が浮かんでくるようなところが、とてもいい。1600年代の音楽がとてもわかりやすく表現されているのも、英国人としての矜持もあるからでしょうか。

声楽陣も、女声が多く、特に第二幕では複数が登場し、それなりに迷うのですが、総じて安定した歌唱。そして、ベリンダのドーソンはその中でもすぐ分かる、愛らしく伸びやかな美声であります。そんな中で、オッターであります。最初はあまり意識していなかったんですが、その出番は少なく、まとまっての歌唱は、最初と最後のみであります。第一幕は「ああ、ベリンダ、口には出せぬ苦しみがわが胸もとをしめつける」、エネアスへの恋の告白を悩むディドの心情がたいそう深く歌われます。オッターの魅力は、まず声質。理屈抜きでこの声が私は非常に好き。そして、少々堅めの印象なんですが、実は非常に柔らかい。そして、ゆったりとしたテンポでも、じっくりと、そして強弱も織り交ぜながら、安定感たっぷりの歌唱です。そんな声を駆使しての深い表情には、言葉もありません。そして第3幕の大詰め。魔女たちの踊りのあと、ディドとエネアスのやり取り、最後は裏切られたエネアスを斥ける「away、away」、そして「土のなかに横たえられし時」の絶唱。ここでのオッターの深い悲しみの歌唱は、心に染み込んできます。オッターの声はそれほど母性を感じない、どちらかと言えば暖かみをあまり感じさせないところもあるのですが、それでも息絶えるまでの表現はいいですね。そして、オッターに続く合唱とイングリッシュコンサートの演奏も、消え入るような終焉まで感動的でもあります。

オッターの歌唱で、ずっと待ち望んでいるのがマーラーの『大地の歌』なんです。マーラーについては、リッケルトの歌曲や『子どもの不思議な角笛』は聴くことができるんですが、『大地の歌』はないのです。もう、聴くことはできないんでしょうねえ。残念であります。
(Archiv 427 624-2 1989年 輸入盤)

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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オッターの《大地の歌》 (aeternitas)
2025-07-13 22:19:08
ご無沙汰しています。

オッターの《大地の歌》は、ラトル、ベルリンフィルとの映像や、アバド、ベルリンフィルとの映像があります。

以下のURLはともにベルリンフィルのデジタル・コンサートホールのものです(上がラトルで下がアバド。アバドのトレイラーにはオッターの歌唱は映っていません)。

非会員でもトレイラーは視聴できますし、入会後、お試し視聴も可能です。料金は月額3千円弱です。

https://www.digitalconcerthall.com/ja/concert/2493

https://www.digitalconcerthall.com/ja/concert/2922
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2025-07-15 09:23:22
aeternitas 様
いつもお世話になっております。ご教示ありがとうございます。映像ではオッターの大地の歌を聴くだけではなく、見ることもできるんですね。こんなメディアはあまりわかっていないので、教えていただいたこと本当にありがたいです。トレイラーでオッターの歌う告別を少し見ることができました。今後ともよろしくご教示の程、お願い申し上げます。
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