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こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

クラリネット五重奏曲

2025年06月15日 23時59分00秒 | モーツァルト
最近歩くことに関心がありまして、というとなんだかお年寄りの運動のようですが、そんなことでもあったりなかったりですが、例えば、梅田・三宮間を歩いてみるとかなんですよ。約30㎞。時間は約6~7時間かかるか。30㎞歩くとどんな気持ちになるか、ということですかねえ。今まで20㎞は歩いたことありますがねえ。歩くと今まで見えなかったことも見えてくる。まあ、いろいろと考えてはいるんですが、夏は暑いだろうなあとか思ったりで、いつ実現するのやら…。

まあ、そんなことはさておき、今回はモーツァルト。まあ有名曲が多い中で、これまであまり好きでないか、またはそれほど聴かなかったモーツァルトの超有名曲。それがクラリネット五重奏曲なんでよねえ。このブログでも一度、もう大昔に取り上げたことがありますが、自分でもそんなに好きでもなかったし、それほど魅力を感じなかった曲なんですねえ。同じクラリネットの名曲であるクラリネット協奏曲は大好きなんですが…。今思うと不思議でありました。

そんな中、過日テレビでこの曲を演奏しているのを聴いて、あれこの曲はいいねえ、と思いました。何年モーツァルトを聴いているんだ、ということですよねえ。そして改めてCDを取り出して聴いて、いやいやこんな名曲だったか、とこれまでの無知を恥じたのでありました。ただ、これまで何とも思わなかった曲を、ふとしたことで曲のよさを認知することってあるあるではないですかね。まあ、それにしては超有名曲すぎるなあ、でしょうか。

それほど好きでなくても、この曲の演奏、いくつか手元にあります。プリンツやライスター、マイヤーなど、超有名どころがたくさんあります。しかしひとつ挙げろ、と言われたら、レオポルド・ウラッハとウィーンコンツェルトハウスSQの演奏にならざるを得ない、と思いますねえ。この演奏、ウエストミンスターからのLPも持っており、慣れ親しんだものです。1951年のモノラル録音ですが、問題なく聴けますが、板起こし盤が出れば、より改善されるかもしれませんね。

LPで聴いていたときは、コンツェルトハウスSQの弦とウラッハのクラリネットの柔らかく、哀愁を帯びた情緒的な演奏がとても気に入ってました。そんな演奏が聴きたくて、ウエストミンスターのLPを中古やさんなどで探したものでした。モーツアルトの最晩年の澄み切った美しさを味わい、涙したものでしたねえ。今はそれほどの気持ちはなくなり、むしろもっと明るく活発な演奏を好む気持ちも強くあります。しかし、この曲の演奏の原点となるのは、やはりこれですねえ。

まずは、弦の方からですが、やはりアントン・カンパーのヴァイオリン、甘く柔らかく実に美しい。ややゆったりとしたテンポで歌い上げる。またはウラッハのクラリネットに寄り添うようにサポート。多少、押さえ気味とも思えるが、その中に醸し出される音楽は、とても存在感がありますねえ。そして、ウラッハですね。この人のクラリネットは、木管楽器でここまで表現豊かに演奏できるのか、と思わせてくれる。特に柔らかく、哀愁帯びた表情は何もにも代え難いですねえ。息の長い音色もとても美しいです。強弱の巧みさも卓越しています。弱音もとても心に響きますねえ。そして、その両者の相性は抜群で、弦とクラリネットはこれほど合うのかと思ってしまいます。しかし、この曲をこの演奏で聴くと、至るところでこの美しさが奇跡的なものだなあと思わせてくれます。正に、モーツアルトの「白鳥の歌」。これほどの演奏があろうか、と思います。

第一楽章、優しい弦の響きに伸びやかなクラリネット。美しい旋律に両者が映えます。まさに優雅で清明であります。第2楽章、ウラッハのクラリネット、ゆったりとしたテンポで息長く歌い上げる。もうとろけるような美しさ。中間部になると第一ヴァイオリンが加わり二重奏。このカンパーのヴァイオリンも美の極みであります。しかし、ウラッハのクラリネット、哀愁を帯びた響き、という言葉で表現できるものではない。多様な表情を含みながら歌い上げる、もはや彼岸の音楽とも思えるのでありました。第三楽章メヌエット。二つのトリオ。最初は弦楽のみで美しい弦の響き。次はクラリネットがとても明るい。ともにそれぞれよさが光る。そして終楽章、変奏曲。この楽章もいいですねえ。弦楽のイ短調の第3変奏も弦の精緻な表情、アダージョの第五変動。クラリネットと弦の美しさが、ゆったりと噛み締めるように歌われる。そして最終変奏で主題が再現されるときには、もう涙が出そうでありました。こんな演奏はなかなか聴けませんよねえ。

最初の歩く話。30㎞を6~7時間かけて歩くのなら、走ったらどうですか、と言われました。走れば、4時間以内くらいでなんとかいけそうですね。うーん、走るか歩くか、なかなか難しい選択。まあ、四の五の言ってないで、実行あるのみですねえ。でも…。

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