佐村河内さんの一件が報道されましたが、なんとも残念な顛末でありました。最初にこの人のことを聞いたときに、どうも…?、と思ったのでしたが、まさかこんなことだったとは、であります。私は、彼の曲にはまったく興味がなかったのでありますが、なんで今なんかとは思いました。数年前に話題になった旧石器捏造事件を思い出してしまいました。あれもひどいお話でした。今回も、人間の弱く、嫌な面を見せつけられたようなことで、なんともやりきれませんね。ほんと。
まあ、そうは言っても元気を出しましょう。そんなこんなで、今回は前回に続いてシューマンであります。シューマンの4曲ある交響曲の中で、このブログで一度も取り上げていないのは、第2番ですね。この2番、今からもう約四半世紀前になりますが、バーンスタインが逝去される直前に来日し、札幌でのパシフィック・ミュージック・フェスティバルで学生たちのオケを指揮して演奏されました。その様子はリハーサルも含めてDVDで出ています。TVでも放映され、当時非常に感動的なドキュメントでした。当時の職場の先輩も見られ、バースタインのこの曲のCDも買った、と言われてました。かく言う私も買いました。
そんなことも記憶にあるこの曲ですが、今回はバーンスタインではなく、スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ指揮ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団の演奏であります。2007年11月19~23日の録音。長いオケの名ですねえ。このCDは、さきほどエームス・クラシックス全録音集(28CD)として発売されたものの中に収められていました。実は、このBOX、ベートーヴェンやブルックナーの交響曲全集は、持っていたのですが、5000円弱の値段でしたので、このシューマンやブラームスやその他は持っていないので、それらをバラで買うよりは安いわ、と思って買いました、。
私はスクロヴァチェフスキの演奏は、かなり贔屓にしております。オケの響きが実にいい。細部まで明瞭であり、 派手さはないですが、堅実でスキのないドイツ音楽には最適と思えるのであります。加えて、それぞれの楽器のバランスが非常にいいです。スクロヴァチェフスキは、それほどの感情を表に出すような指揮ではないのですが、このようなオケを駆使して雄渾な演奏を展開しています。強弱やテンポの変化を上手く用いて、この曲に豊かな表情を持たせる演奏となんです。全体にテンポは速くはないのですが、テキパキとメリハリに富んでいる故に、そう思ってしまいます。私は、いつもこの人の演奏を聴いて、いい演奏だなあ、と思ってしまいます。加えて、この曲を作ったときのシューマンは、精神的に問題があり、それがこの曲にも反映されていると言われています。しかし、そのような気分とはまったく無縁のような演奏になっています。私は、この曲にはそんな傾向をあまり感じない人間なんで、そう思うのかも知れません。
第1楽章、冒頭から序奏は陰鬱さはそれほど感じず、主部に入るとスケールの大きな堂々とした歩みの中、期待感を持ちながら進み、オケの響きが縦横無尽に絡み合いながら、シューマンの音楽を偉容を見せつけるように展開され、充実感に満ちた演奏が展開されます。第2楽章スケルツオ。めまぐるしい展開がオケの巧さも感じながら、一気に駆け抜ける。爽やかささえ感じる。第3楽章。一転して不快表情でのアダージョ。ここでも過度な表情の深さはなく、それが少々物足りなさを感じるが、オケの混じりっけがなく純粋で鮮やかな演奏の中で曲が進み、感情的ではないが、心に中に染み込んでくる憂いを否応なく意識することになりますね。そして、第四楽章。躍動感に満ちた展開の中に、オケに充実振りを見せつけられ、終楽章に相応しい堂々とした演奏。ここぞというところでの迫力に満ちた表現も聞かれ、その雄渾さや雄大さには、脱帽しますね。本当にいい演奏であります。
この28枚組のBOXは、スクロヴァチェフスキさんの90才を記念しての発売です。かなりのご高齢になられましたが、お元気でのますますのご活躍を祈念する次第であります。
(Oehms OC090 2013年 輸入盤)
まあ、そうは言っても元気を出しましょう。そんなこんなで、今回は前回に続いてシューマンであります。シューマンの4曲ある交響曲の中で、このブログで一度も取り上げていないのは、第2番ですね。この2番、今からもう約四半世紀前になりますが、バーンスタインが逝去される直前に来日し、札幌でのパシフィック・ミュージック・フェスティバルで学生たちのオケを指揮して演奏されました。その様子はリハーサルも含めてDVDで出ています。TVでも放映され、当時非常に感動的なドキュメントでした。当時の職場の先輩も見られ、バースタインのこの曲のCDも買った、と言われてました。かく言う私も買いました。
そんなことも記憶にあるこの曲ですが、今回はバーンスタインではなく、スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ指揮ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団の演奏であります。2007年11月19~23日の録音。長いオケの名ですねえ。このCDは、さきほどエームス・クラシックス全録音集(28CD)として発売されたものの中に収められていました。実は、このBOX、ベートーヴェンやブルックナーの交響曲全集は、持っていたのですが、5000円弱の値段でしたので、このシューマンやブラームスやその他は持っていないので、それらをバラで買うよりは安いわ、と思って買いました、。
私はスクロヴァチェフスキの演奏は、かなり贔屓にしております。オケの響きが実にいい。細部まで明瞭であり、 派手さはないですが、堅実でスキのないドイツ音楽には最適と思えるのであります。加えて、それぞれの楽器のバランスが非常にいいです。スクロヴァチェフスキは、それほどの感情を表に出すような指揮ではないのですが、このようなオケを駆使して雄渾な演奏を展開しています。強弱やテンポの変化を上手く用いて、この曲に豊かな表情を持たせる演奏となんです。全体にテンポは速くはないのですが、テキパキとメリハリに富んでいる故に、そう思ってしまいます。私は、いつもこの人の演奏を聴いて、いい演奏だなあ、と思ってしまいます。加えて、この曲を作ったときのシューマンは、精神的に問題があり、それがこの曲にも反映されていると言われています。しかし、そのような気分とはまったく無縁のような演奏になっています。私は、この曲にはそんな傾向をあまり感じない人間なんで、そう思うのかも知れません。
第1楽章、冒頭から序奏は陰鬱さはそれほど感じず、主部に入るとスケールの大きな堂々とした歩みの中、期待感を持ちながら進み、オケの響きが縦横無尽に絡み合いながら、シューマンの音楽を偉容を見せつけるように展開され、充実感に満ちた演奏が展開されます。第2楽章スケルツオ。めまぐるしい展開がオケの巧さも感じながら、一気に駆け抜ける。爽やかささえ感じる。第3楽章。一転して不快表情でのアダージョ。ここでも過度な表情の深さはなく、それが少々物足りなさを感じるが、オケの混じりっけがなく純粋で鮮やかな演奏の中で曲が進み、感情的ではないが、心に中に染み込んでくる憂いを否応なく意識することになりますね。そして、第四楽章。躍動感に満ちた展開の中に、オケに充実振りを見せつけられ、終楽章に相応しい堂々とした演奏。ここぞというところでの迫力に満ちた表現も聞かれ、その雄渾さや雄大さには、脱帽しますね。本当にいい演奏であります。
この28枚組のBOXは、スクロヴァチェフスキさんの90才を記念しての発売です。かなりのご高齢になられましたが、お元気でのますますのご活躍を祈念する次第であります。
(Oehms OC090 2013年 輸入盤)
スクロヴァチェフスキさんは、ベートーヴェン全集しかもっておらず、このシューマンも興味深く思います。この人はまだ実演を聴いておらず、読響あたりで一度は聴いてみたいものです。
佐村河内さん、やはり残念な結果でしたねえ。これから賠償など、まあ大変みたいです。また、ご教示ください。