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セルによるシューマン

2014年06月08日 11時02分24秒 | シューマン
えーと、一週間に一度は更新しよう!、ということだったのですが、先週末は、金・土曜日は明石に所用で外出し、日曜日は翌日に必要な書類をしこしこ頑張っておりました。とほほでありました。めっきり夏の陽気になりました。同時に、PM2.5ですか、これらの大陸からの影響かで、明石海峡は煙っており、非常に見晴らしがよろしくありませんでした。誠に困ったものです。未だに花粉症の薬を飲んでおりますが、これが原因かもしれませんねえ。

ということで、今回はシューマンであります。昨年の夏から秋にかけて、タワーさんから、「タワー・レコード"Sony Classical"スペシャル・セレクションVol.7」として、30セットのCDが出されましたが、その中に、ジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団による、シューマンの交響曲全集がありました。2枚組で2000円ほどなので、岡山に行ったときに、タワーさんに寄って買いました。この演奏は、日本初CD化ということ。この企画は、本当にいいCDを再発売してくれるので、うれしいです、ということは以前にも言及しました。ただ、この演奏は輸入盤では、入手できる環境にはありました。このセルのシューマンの交響曲は、昔から定評のあったもので、1958年から1960年にかけて、クリーヴランドのセヴェランス・ホールでの録音です。

セルのCDに関しては、去年に「ジョージ・セル・エディション」という49枚組のBOXが発売されました。これはけっこうベートーヴェンやブラームス、 ハイドンなどはダブるし、15000円くらいするので、断念しました。でも、セルも演奏は、入試し難いものが多いのです。例えば、モーツァルトの交響曲などは、是非ほしいな、と思っているのですが、なかなか出回っていません。中古やさんなどでみるしかないですかねえ。

それで、今回はシューマンの交響曲第1番変ロ長調作品38「春」であります。セルの演奏は、鍛え抜かれたクリーブランド管により、非常に精緻なもので知られています。ただ、スキのない演奏が、聴いて感動するとか、心を動かされるかと言えば、まあなかなかどんなもんでしょうか。このシューマン、そんなことは置いといて、この演奏は、素晴らしいです。まったく穴がない。オケは、伸び伸び生き生きと演奏を展開するし、各楽器のバランスは文句なく、見通しも明瞭。そして、この曲の「春」に合っているような、の悩みや鬱屈したものがないことと、これらのセルの明確であり、少し早めのテンポで前へ前へ進み、んでいくところなどが、何の問題も無く合致して、厳しさとそして、まろやかな風情も合わせ持った演奏が生まれているのでありました。シューマンの交響曲には、ベートーヴェン的な古典性と後のロマン派で聴かれるような少々ゆるくなっているところなどが併存しているのですが、この演奏で感じられる古典性が、これまたいいのであります。ただ、良くも悪くもアメリカのオケの特性は感じられ、それが演奏に合っているのも事実だし、少々ないものねだりをしてしてしまうこともあるのでありました。

第1楽章、トランペットとホルンなどの金管の出だしから、この演奏も様子がよくわかる。構成は堅固であり、揺るぎない信念を感じる。そしてそれは揺るぎない形式の美しさにも繋がり、それは熱気を帯びた、加えて厳しい演奏にも発展していく。第2楽章、前楽章から一転して、優しさや憧憬を感じる演奏。とはいえ進む中で、ひとつもムダにはしないというような厳しさがあります。シューマンらしい旋律が心地よく歌われています。第3楽章スケルツォ。そそりたつ厳しい旋律が、明確に奏でられる。各楽器の厳しい表情も加わり、峻厳さが滲み出る。そして第4楽章。終楽章にふさわしい熱気をはらんだ演奏。ここでもまったスキがなく、まあ実に完璧な音の競演に耳が奪われる。どの楽器も強奏するが、バランスは素晴らしく、演奏の素晴らしさを実感させてくれますね。

そして、一転して梅雨空になりましたね。なかなか鬱陶しい気持ちになるのでありました。
(SONY SICC1653-4 2014年 タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション)

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