新潮選書
1996年2月 発行
2007年1月 16刷
275頁
東京スカイツリーの制震システムとしてマスコミにも取り上げられた五重塔の心柱
勿論、スカイツリーは五重塔の心柱そのものを再現しているのではなく、応用しているのですが東日本大震災の折その有効性を証明しました
本屋さんでタイトル買いしたのですが、本書の発行は1996年、阪神大震災の翌年です
あの大震災にもびくともしなかった木造の高層建築については触れられていますが、当然のことながらスカイツリーの「ス」の字も出てきません
しかし昨年の大震災の後でも、十分読むに値する内容です
序・上田篤「謎の建築・五重塔」
嚴慈「中国の塔に心柱はなかった」
田中充子「韓国の塔の蘇塗柱・刹柱・心柱」
濱島正士「日本の塔の組上げ構法」
冨島義幸「八角九重の幻の塔」
西澤英和「木塔を解体してみると」
石田修三「心柱を科学する」
川口衛、阿部優「木造古塔の心意気」
久徳敏治「柳のような超高層」
対談・上田篤、木村俊彦「五重塔と現代建築」
日本の木造建築は中国大陸に源を発し朝鮮半島を通って、わが国にその技術が伝えられた
奈良時代に建てられた立派な伽藍や塔は幾度もの地震や台風にも損傷こそすれ倒壊することなくその美しい姿を保っている
落雷で焼失しても、日本人は、また頑張って建て直してきました
建築にとどまらず、日本文化の根源的な本質、民族性までを取り上げた興味深い一冊でした
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