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宮部みゆき「孤宿の人」

2010年01月11日 | ま行の作家

後半はところどころ涙が出て困りました
それも、どうしてこの場面で?って


江戸からやってきて讃岐国、丸海藩に置き去りにされた少女・ほう
阿呆の呆から名前をつけられたいう少女・ほうが、やはり江戸から流されてきた罪人・加賀殿の幽閉された涸滝屋敷に下女として住みこむことになる
ある偶然から加賀殿の部屋へ手習いに通うことになるほう
内に闇を持たない無垢な少女・ほうとの語らいを通して微笑みを取り戻す加賀殿
加賀殿から、阿呆の呆ではなく、生きる方向の方という字を貰う
そして物語の終わりには、この世の大切なもの、尊いものをあらわす言葉、宝という字を貰う

今日からおまえは、宝のほうだ


もう一人の少女・宇佐
天涯孤独の宇佐とほう
ほうを妹のように思いながら丸海藩の大事の嵐に翻弄され、ほうを涸滝屋敷にやるしかなかった宇佐の心情にも泣けます



仏も鬼も人の心に棲むもの
闇を持つ人間は仏が見えなくなり悪鬼悪霊となる

大きな感動が残る一冊でした



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6 コメント

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最後の章は… (hi-lite)
2010-01-11 17:46:09
思わず泣けてしまいました。
やっとほうが宇佐のところへ戻ってこれたかと思っていたのに…

純真なほうの姿に、仏を見た気がします。
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hi-liteさん (こに)
2010-01-13 19:48:41
男性でも涙を誘われたんですね

純真な娘は救われ
見栄をはったり欲をかく娘は落ちていく

宮部さんの基本ですが

こういうのは時代物のほうがわかり易いですよね

また久し振りに宮部さんを読みたくなりました
(^^)

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Unknown (ロビタ)
2011-01-04 17:41:43
男性でも泣けます(TへT)

私は後半、加賀さまに感情移入して読んでいました。
武士の悲哀とメンツ、「樅の木は残った」の原田甲斐を
思い出します。
ハリーポッターでいえばスネイプ的でしょうかね。
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ロビタさん (こに)
2011-01-08 16:24:48
やはり泣けましたか

私を捨て、公に人生を捧げる
現代では通らないような生き方に心を打たれますね

スネイプ先生
素敵です♪
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こんにちは (はらやん)
2011-08-07 15:24:37
こにさん、こんにちは!

おっしゃるように後半はとても心に響きました。
ほうと加賀様の交流、宇佐とほうが互いに思いやる気持ち。
けっしてみんながハッピーエンドになるわけではないので切ないけれど、ほうという存在が一縷の希望となっている終わり方が良かったです。
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はらやんさん (こに)
2011-08-07 21:30:50
宮部さんのストーリーテラーとしての技量を堪能できる作品ですね
シンデレラストーリーではないところがまた宮部さんらしくて本当に心に染み入る物語でした
人生、儘ならぬものですが前を向いて生きていきたいですね
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