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梨木香歩「裏庭」

2010年05月28日 | な行の作家

昔、イギリス人一家が住んでいたバーンズ屋敷
戦争が始まりバーンズ一家がイギリスへ帰国した暫く後
若い西洋人が住んでいたが彼も行方不明に
今では荒れ放題
洋館の庭は近所の子供達の遊び場になっている


ひとりの少女・照美がバーンズ屋敷の裏庭で体験するファンタジー、冒険譚でありながら人間の本質に迫る残酷とも思える多くのメッセージが盛り込まれています

親子の関係を上手く築けなかった祖母と母
そして今、とても不安定な状態にある照美と両親

誰もが持っている傷
傷を鎧で覆っても傷を治したことにはならない
人は自らの傷と共に自分だけの力で成長していかなければならない


裏庭へ入る呪文

Who are you?
Tell me.
I'll tell you.


あなたが誰であるか教えてあげる

裏庭で自分を見つめ直し何をすべきか悟った照美
現実の世界に戻った照美と家族は正しい絆で結ばれて成長していくことでしょう


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2 コメント

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連鎖 (たんぽぽ)
2012-06-06 20:33:54
母娘3代の連鎖というのもありましたね。
それぞれに豊かな思いがありながら、うまく通じ合う事ができないそれぞれの母娘。
このストーリーは、照美の満たされない思いが環境のせいだけではなくて、やはり自分のあり方の問題、とするところがとても厳しいと思いました。
少女から、一歩大人に踏み込むこと、それは実はこんなにも厳しいことなんですね。
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たんぽぽさん (こに)
2012-06-07 19:52:33
ここまで悩むことなく大人になった自分ですが、たんぽぽさんの記事のように、だから大人になりきれていない部分があるのかもしれませんねぇ。
梨木さんの新刊、そろそろ読もうかな。(^_^)
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