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映画・ポプラの秋

2015年09月19日 | 映画(国内)

 

2015年 日本
原作・湯本香樹実「ポプラの秋」

 

 

ほぼ原作通り

 

東京で看護師をしながら独り暮らしをしている千秋(村川絵梨)の元に母親(大塚寧々)から子供時代に暮らしていた「ポプラ荘」の大家のおばあさん(中村玉緒)が亡くなったとの電話がかかってきます
千秋の部屋は乱雑で何かしら薬を服用しているようですし、母親との会話の様子からもあまり良い関係ではないことがうかがえます
ともかく葬儀に参列する為、母親の再婚で引っ越して以来何年ぶりかでポプラ荘を訪ねた千秋が回想する子供時代は…

 

突然父親を喪い、母と庭に大きなポプラの木があるアパート・ポプラ荘に引っ越してきた千秋(本田望結)
怖そうな大家のおばあさん、隣の佐々木さん(藤田朋子)、1階の西岡さん(宮川一朗太)
最初は怖そうで近づき難かったおばあさんですが、根はとても優しい人のようです
辛そうな千秋に『お父さんに手紙を書きなさい、その手紙は自分が死んだ時あの世に持って行ってお父さんに渡してあげるから』と言います
手紙を書くうちに自分の内面と向き合うことが出来るようになった千秋は、結婚式場で働く忙しい母が帰宅するまでの間、おばあさんとみたらし団子を食べたり、佐々木さんや西岡さんとポプラの落葉で焼き芋を焼いたり、西岡さんの離れて暮らす息子・オサム君と遊んだり、大きなポプラの木に見守られるように穏やかな日々を送るうち、父のいない悲しみから少しずつ立ち直っていき、人の痛みにまで涙を流せるようになっていくのでした

 

おばあさんの葬儀が終り、佐々木さんから渡された1通の手紙
それは、ポプラ荘に住んでいた時に母が父に宛てて書いた手紙で千秋がおばあさんのところに持って行ったものでした
母が是非千秋に読んでほしいと言っていったという手紙
じ~んときました
原作でもウルウルきた箇所なのでハンカチを握りしめ…(#^.^#)

 

ロケ地となった飛騨高山で土産品として有名な「さるぼぼ」
これが重要な小道具として、誰かと誰かを結び付けてくれそうな予感を残して映画は終わります

 

中村玉緒さんのおばあさんは『怪演』かと思っていましたが、想像していたより優しくユーモアもある人の出来たおばあさんでした
本田望結ちゃんのことは全く知りませんでした
始めのうちは、あまり上手くない子だけど変に芸達者より好いかも、くらいで観ていましたが、徐々にはめられてしまいましたね~
中村玉緒さんと望結ちゃん年の差65歳の共演はなかなか良かったです
大塚寧々さんも、本作のような多くを語らないおっとりとした女性役がぴったりですね

 

 

 

大森研一監督は「原作の持つ良さ、強さを最大限に活かして、失って初めてその価値に気づく人間同士の繋がりと、今ある人への気持ちを丁寧に描きたい」と仰っています

その通りの作品に仕上がっていたかと思います

同じく湯本さん原作の「岸辺の旅」の公開も間近
楽しみです♪

 

 

 


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