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映画・少女は自転車にのって

2014年01月08日 | 映画(海外)

 

原題 Wadjda
2012年 サウジアラビア=ドイツ合作

 

 

サウジアラビアの首都リヤド郊外に住む10歳のお転婆少女ワジダ(ワアド・ムハンマド)
ある朝、近所の少年アブドゥラ(アブドゥルラフマン・アル=ゴハニ)と喧嘩になるが、アブドゥラは「男に勝てるわけがないだろう」と言い捨て自転車で走り去る
いつか自転車で競走してアブドゥラを負かしてやると決心したワジダ
学校の帰りに玩具や自転車を扱う店で見つけた新しい緑色の自転車は800リヤルもする
母親に頼んでも、女の子が自転車に乗るなどあり得ない、と相手にされない
どうしても自転車が欲しいワジダ
友達に手作りのミサンガを売ったり上級生の密会の橋渡しをしたりして小遣いを稼ぐが800リヤルにはほど遠い
そんな時、学校でコーラン暗唱コンテストが行われることになり優勝すれば賞金は1000リヤルと聞いて、それまで熱心でなかったのが突然態度を改め宗教クラブに入ったりコーランの勉強を始める
自転車を買えるだけの賞金が手に入るとわかると急に真面目になるあたり、計算高くて「ちょっとねぇ」と言いたくなるような少女です
さてさて、劣等生ワジダは並み居る強敵相手に賞金を手に入れることは出来るのか…

 

 

ひとりの少女が自転車に乗りたいという、それだけのシンプルな動機付けを起点に展開される物語
背後にあるのはイスラム教社会で性差別を受ける女性たちの声なき声です
ワジダの母親(リーム・アブドゥラ)は結婚における不平等を悲しみつつ、そいうものだと受容れています
ワジダの行動からは、勇気があれば社会に変化をもたらすことが出来る、自分の運命は自分で決められる、という希望が見えてきますが、現実にはまだまだ厳しいようですね

 

イスラムの教えについては全くわかりません
ワジダの母親の立場は大変弱いし、ワジダの通う女子校の規律の厳しさには驚かされます
しかし、日本だって男尊女卑の考え方がついこの前まで社会を支配していたわけで、日本社会の変化をみれば、宗教や慣習云々は別にしてイスラム社会の女性差別が改善される日はやがてやってくることでしょう

ラストで自転車に乗って颯爽と走るワジダの笑顔がそれを暗示しているようです

 

 

ワジダにプロポーズしたアブドゥラ君
君ならワジダのことをよく理解できるパートナーになれるかもね

 

残念なのは邦題です
よくもまぁ、こんな冴えない邦題をつけたものです
せっかくの作品の質を貶めるような邦題は止めてもらえませんかねぇ





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