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映画・桃(タオ)さんのしあわせ

2012年11月26日 | 映画(海外)

 

2011年 中国・香港

原題 桃姐

英題 A Simple Life

 

 

家政婦として梁家に60年間仕えた使用人の桃さん(ディニー・イップ)

今では一家はアメリカに移住し、ただ一人香港に残った年下で独身のロジャー(アンディ・ラウ)に仕えている

ロジャーが出張中に脳卒中で倒れた桃さんは、今までと同じように働くことは出来ないと判断しロジャーに頼る生活より老人ホームに入る道を選ぶ

桃さんの固い意志を受容れたロジャーは、忙しい仕事の合間を縫って老人ホームを探し、入所した桃さんを度々訪ねて一緒に時を過ごす

使用人としての分をわきまえる桃さんと、その気持ちを理解し献身的に世話をするロジャー

映画の出だしでははっきり分からなかった二人の絆が徐々に見えてきます

時に親子のようだったり恋人のようだったり旧友のようだったり

二人の会話はとてもウィットに富んでいて微笑ましいです

いつだったか相手に投げた言葉を一方が、ここぞとばかりに投げ返す

互いの言葉をきちんと心に留めているのですね

 

老人ホームは決して暮らしやすい場所ではありません

他の入所者たちの哀しみや不幸をも懐の深さで感じ取る桃さんは、自分の先行きをもしっかり見据えているようです

 

ロジャーが姉に語るシーンが印象的でした

「僕が入院した時、元気だった桃さんが看病してくれた、だから今、元気な僕が桃さんの世話をする」

 

独身中年男性のロジャーにも老いは迫ってきます

でも、桃さんの残してくれた思い出がきっと彼の老後を穏やかなものにしてくれるのではないか、と思いました

 

 

邦題に「しあわせ」という言葉が入っているのは何故かと考えました

冒頭で桃さんの生い立ちが簡単に語られます

広東省で生まれ、養子に出された桃さんは養父母を日本軍によって殺されてしまい、13歳の時から梁家に使用人として預けられた人です

もし、日本軍が桃さんの養父母を殺害しなければ彼女には使用人として働くのとは違う人生が待っていたことでしょう

でも、彼女は運命を受容れその後60年もの長い間梁家に仕えました

しっくり来るのは英題です

シンプルな人生、気取らない人生、ただの人生

静かに老い、傍らにかけがえのない人がいてくれた桃さんの人生はきっと幸せだったのでしょうね

 

 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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2本まとめて (latifa)
2013-06-28 13:35:18
こんにちは、こにさん
砂漠でサーモン~は、実は一昨日、こちらに来て感想拝見させて頂いてたんです(^^ゞ
私はイマイチだったんだけど、こにさんは楽しめたみたいだったから、そっとそのまま立ち去っちゃってたんです。たはは。

で、こちらは大好き!!
そうかあ・・・ タオさんの過去に遡って「しあわせ」の意味、日本軍がタオさんの人生に及ぼした影響など、こにさん考えておられているー!!
返信する
latifaさん (こに)
2013-06-29 14:50:01
「砂漠でサーモン~」
実は、私もlatifaさんと感想が違っていたのでトラバのみにさせて頂いたのですヨ。
アハ、感想は人それぞれですもんネ。(*^^)v

「桃さん~」は記憶に残る映画ですね~。
アンディも素敵でした
返信する

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