ちくま文庫
2019年 6月 第1刷発行
解説・平松洋子
210頁
一編の小説を源泉に〈この世にないもの〉を小川洋子さんが注文し、クラフト・エヴィング商會が探し出す
はたして「ない」はずのものは注文主に届けれらるのでしょうか
各編とも「注文書」「納品書」「受領書」で構成されており、注文の内容と顛末が明らかにされます
「人体欠視症治療薬」
川端康成「たんぽぽ」(未完)
「バナナフィッシュの耳石」
J.D.サリンジャー「バナナフィッシュにうってつけの日」
「貧乏な叔母さん」
村上春樹「貧乏な叔母さんの話」
「肺に咲く睡蓮」
ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」
「冥途の落丁」
内田百閒「冥途」
感想の書きようがありません
読者それぞれの感じた思いでもう十分かと…
小川さんと吉田さんご夫妻も書き上げるのに苦労されたのでしょうか
このような素敵なものを読ませていただき感謝しかありません
ため息が出るような一冊でした。
小川さん、堀江敏幸さんとの「あとは切手を一枚~」も素晴らしかったけれど、本書はまたひとつ飛び越えた感じがします。
あ、でもこっちのほうが先に出版されてるんですけどね。