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ジョージ・オーウェル「葉蘭をそよがせよ」

2020年06月13日 | 海外の作家


訳・高山誠太郎
晶文社
1984年3月 発行
322頁

ゴードン・コムストック、29歳独身
コムストック家の末っ子で、広告会社での安定した仕事を辞め、小さな本屋で働きながらギリギリの生活費を稼ぎ創作活動を続ける貧乏な詩人です
しかし、あまりに厳しい生活に頭の中は常に財布の中身とタバコの残り本数ばかり
創作意欲は落ちる、社交は苦手で恋人はいるけれどいつもお金のかからない道端で会うだけ
一度だけ出版した詩集は本屋で埃を被り、雑誌に投稿する詩はいつもボツ、二年間書き続けている新しい詩集も一向に捗りません
やっとの思いで手に入れたお金を持って恋人と出かけた郊外へのデートも途中でお金が無くなり滅茶苦茶になるなど、お金が無いせいで何もかも惨めな思いばかりしています

古書店で背表紙の『版元切』を見て今買わねばと思い購入しましたが…
コムストック家の中流階級の美徳を守るばかりで現実を直視しない生き方を選んだが故のゴードンの惨めな生活の描写ばかりになかなか頁が進みませんでした
お金の支配を受けることの少ない生活を選びながら中流階級出身の女性と幸せな家庭を築くことができるのかどうか、というところで物語は終わります

ゴードンには若き日のジョージ・オーウェルの姿が投影されているとのこと
前にそれを知っていればもっと面白く読めたかもしれません
ちなみに葉蘭はイギリス中産階級の象徴なのだそうです

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