MF文庫
2011年2月 初版第1刷発行
244頁
家の怪談 競作集
怖いながらも愛しい我が家
怪の気配の住むところ
書店で皆川博子さんの文庫本がないか検索して見つけた一冊です
皆川博子「釘屋敷/水屋敷」
異界との境界をふらふらとさ迷い、ふとしたきっかけで簡単にあちらの世界に行ってしまいそうな
短編ながら皆川ワールドを堪能できます
宇佐美まこと「犬嫌い」
人の心の闇を浮き彫りにしています
知っていながら心の奥底に仕舞い込んだ葛藤
結末はおよそ予想がつきますが好みの作品です
金子みづは「芦の原」
内田百や谷崎潤一郎の世界に通ずるものがあります
幼少時代から老年に至るまで
何人もの肉親を見送ってきた女性の切ない人生
他には
福澤徹三「家が死んどる」
黒史郎「押入れヒラヒラ」
田辺青蛙「我が家の人形」
雀野日名子「母とクロチョロ」
朱雀門出「ちかしらさん」
神狛しず「悪霊の家」
南條竹則「浅草の家」
東雅夫「凶宅奇聞」
各作家さんたちの力作も楽しめましたが
巻末の「幽/文庫通信」に収められている
読者投稿怪談、まつぐさんによる「うちの会話」が良かったです
家業を継いだら家もセットで面倒をみなくてはならなくなる男性の不思議な「悩み」に笑いました
アンソロジーはお得感がありますね
時々読んでみるのも良し、です
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