「母と暮せば」
2015年
【BSプレミアム】
広島を舞台にした井上ひさしの戯曲「父と暮せば」と対になる作品の映画化
1945年8月9日、長崎に原爆が投下されてから3年
原爆で死んだはずの息子・浩二(二宮和也)が母・伸子(吉永小百合)の前に現れます
浩二の恋人・町子(黒木華)のこと、昔のこと、たくさんの話をする二人ですが、その幸せな時間は永遠に続くことはありません
吉永さん、二宮君、黒木さん、お三方とも抑え気味の落ち着いた演技をされています
序盤から何度も何度も泣かされました
ただ、伸子役が吉永さん以外の方だったら…もっと強いメッセージを発信出来たのではないかと思うのです
吉永さんの日頃の活動がかえって邪魔をしたような気がして仕方がありません
戦争シーンの描き方は山田洋次監督の上手さが光っていました
特に原爆が一瞬にして全てを破壊するシーンには思わずため息が出てしまいました
映画もこれはこれで良かったですが、会話部分などは舞台で観てみたいと思いました
エンドロールで、長崎生まれ、長崎育ち、現在も長崎在住の作家・青来有一さんの名前を見て、久しぶりに読みたくなりました
「父と暮せば」と比べる必要はないけれど、原田芳雄x宮沢りえに軍配をあげます
「毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル 最期に死ぬ時。」
2018年
【日本映画専門チャンネル】
認知症の母との日常をありのままに描いたドキュメンタリー「毎日がアルツハイマー」シリーズ最終章
関口祐加監督が母の自宅介護を始めて8年
監督ご自身が股関節手術とリハビリで7週間の入院生活を送り、要支援となります
介護される側とする側が同時に老いていき、この先どれだけ母を支えていけるのか、母の命の責任を負うことを考え始めます
一人で出来る事には限界があります
自分や母の全てをさらけ出して、人の助けを得て生きていく姿から教えられることが多くありました
「聖職の碑」
1978年
【日本映画専門チャンネル】
大正2年(1913年)8月、中箕輪尋常高等小学校の駒ケ岳修学旅行登山で起こった遭難事件を通して、生きること、愛することを描きます
新田次郎さんの原作を読んで観たかった作品
鶴田浩二、岩下志麻、三浦友和、田中健、大竹しのぶなど出演陣の豪華さだけが目立ち、各人物の人となり、遭難シーンにおける心理状態、当時の社会的背景などなど原作の良さが全く反映されていません
遭難シーンはもしかしたら今のCG技術を使えばもっと見応えのあるものになるかもしれませんが…
巷の評価が低いのに納得です
「しゃべれども しゃべれども」
2007年
【BSプレミアム】
これも観たかった作品
うだつのあがらない落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)は、ひょんなことから話し方教室を開くことに
そんな彼のもとに集まったのは、実家のクリーニング店を手伝う無口で無愛想な美人(香里奈)、元プロ野球選手で解説者としては全くダメな男(松重豊)、関西から引っ越してきてクラスメートとなかなか打ち解けない少年(森永悠希)
教室に来ては喧嘩ばかりの3人ですが、三つ葉は根気よく彼らに落語を教え、また彼らから教わることもあり、晴れて落語発表会の日を迎えます
寄席での『まんじゅう怖い』
国分さんの落語がとにかく下手で「え?」でしたが徐々に上手くなっていって『火焔太鼓』はもうプロ級でした!
わざと下手に演じていたのだと思います
お見事でした
心温まる作品です
落語は良いのだ~\(^o^)/
「四月の永い夢」
2017年
【チャンネルNECO】
3年前に恋人を亡くした元音楽教師の初海(朝倉あき)
今は近所のそば屋でアルバイトをしながら暮らしています
そんなある日、彼女の元に亡くなった恋人の母親から封書が届き、中には恋人が初海に書きのこした手紙が同封されていました
この手紙をきっかけに、初海の日常が再び動き始めます
そば屋で初海を見染めて声をかけてきた青年(三浦貴大)や元教え子のジャズシンガーとの触れ合いを通して変化してゆく、強引に変化させられてゆく初海
ラストシーンで初海が見せる笑顔
これがホント最高です!
永い夢から醒めて、歩き始めるのです
朝倉さん、三浦さん共、大変好感の持てる演技でした
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