訳・北山克彦
晶文社
1997年8月 初版
2018年4月 17刷
398頁
イリノイ州グリーン・タウンに暮らす12歳の少年ダグラス・スポールディングの1928年の特別なひと夏を描きます
夏の終わりの日
眠ろうと目を閉じたダグラスは考えます
6月の夜明け、7月の正午、8月の宵は過ぎ、終わり、おしまいになって、永久に去ってしまい、ただそのすべての感覚だけを、ここの頭のなかに残してくれた
いまや、過ぎ去った夏の総決算をするものは、健やかな秋、白い冬、涼しい、緑の萌える春なのだ
もしぼくが夏を忘れるようなことがあったら、地下室にはたんぽぽのお酒があり、一日一日全部の日が大きく数字で書かれているんだ
最終頁のこの部分で読んできたエピソードひとつひとつが鮮やかに甦ります
ダグラスの成長を思い嬉しくなると同時に自分には絶対に経験できないであろう“夏”に切なさの残る読後感
後を引きそうです
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