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松本清張「或る「小倉日記」伝」

2010年02月21日 | ま行の作家
短編が12編収録されています

「或る「小倉日記」伝」
「菊枕」
「断碑」
これらは実在の人物をモデルにしたものであるが作者の強い自己投影があるとのこと
才能や能力があるにも拘らず境遇や環境により世に認められない者の不遇の生涯を描いている

「石の骨」
学閥のヒエラルキーを背景とした他人の業績を横領する学問の世界

「父系の指」
清張の自伝小説
お人好しで貧乏から抜け出せない父親
東京で成功している父の弟一家に対する父親の劣性を受け継いでいる自分の憎悪の感情

他の作品も全て暗く成功者とはほど遠い世界の話ですが読後感は悪くない
人間の本質に迫る清張の筆力だと思います

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