2012年 カナダ
原題 REBELLE
英題 WAR WITCH
内戦が続くコンゴ民主共和国
水辺の村で平和に暮らしていた12歳の少女・コモナ(ラシェル・ムワンザ)は突然襲ってきた反政府軍に拉致され兵士となるよう訓練を受ける
甘えも抵抗も許されず、銃を片手にゲリラとなって政府軍と闘う日々
麻薬擬きの樹液を飲むと、死んだはずの両親が逃げるよう合図するのが見え、敵の襲撃から無事生還することができたコモナはそれ以来、敵の居場所を見破れる『魔女』と呼ばれるようになる
しかし、先輩兵士でアルビノのマジシャン(セルジュ・カニンダ)から、いつかは敵に殺されるかリーダーに殺されると聞いたコモナは逃亡を決意しマジシャンの叔父”肉屋のおじさん”を頼って逃避行を続けるのだった
肉屋のおじさんの所に落ち着いた二人は『兵士』としてではなく、まだ幼いながらも夫婦として幸せな日々を送っていたのだが、森の中でリーダーの命令で魔女を連れ戻しに来た追っ手たちに取り囲まれてしまう
14歳になったコモナがお腹の子どもに語りかける回想の形で物語は進みます
臨月を迎えたコモナは両親を弔うため自分が生れ育った村を目指す道中、たった一人で出産
無事弔いを終えて赤ん坊を抱いて再び”肉屋のおじさん”の元に帰ろうとするところで映画は終わります
コモナの産んだ赤ちゃんがマジシャンの子どもではないことが、なんとも辛い
でもコモナはその子に「マジシャン」という名前をつけます
殺戮、児童兵士、略奪、愛する人との死別、レイプ、妊娠
アフリカで現実に起きていることです
重いテーマばかりが詰まった映画ですが、一度は児童兵士として戦う生き方しか無かった少女が、自分の意志で自分を取り戻して再生しようとする逞しさを描いた映画でした
コモナの赤ちゃんは周囲の大人に面倒みてもらいながら成長していくのかな、コモナと同じ運命だけは避けて欲しいな、などと思いました。
文明国の勝手に翻弄される国々の未だ多いこと、いつの日か解決されると良いのですけどね。