講談社文庫
2016年12月 第1刷発行
2017年 1月 第2刷発行
174頁
亡き妻のレシピ帖に「私は椎茸だった」という謎のメモを見つけた泰平は料理教室へ
不在という存在をユーモラスに綴る表題作のほか、テレビを見ていて6年以上前にアメリカにいた時に出会ったおばあさんを思い出す「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」、友人に紹介された男性が最終的に選んだパートナーは?「ラフレシアナ」、秘境温泉宿で出会った男性に惹きつけられる女性「蔵篠猿宿パラサイト」、叔母の家に突如あらわれ、家族のように振る舞う男が語る「ハクビシンを飼う」など
日常の片隅に起こるちょっと怖くて、愛おしい、五つの偏愛短篇集
表題作が一番意外性があって面白かったです
他の4編は、いつかどこかで読んだことのある設定に近くもう一つでした
中島さんとは相性の良い作品とそうでない作品があって手に取るのに勇気がいります(^_^;)
もっとたくさん読み込む必要があるかもしれません
『リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出合い』は『二瓶のソース』に似てますかね。
帯に「偏愛」の小説とありましたが、「奇妙な味のミステリー」のようでもあります。
「偏愛」から小川洋子さんを思い出してしまい、期待したほどの刺激はなく肩透かしをくらった感じでした。確かに、緩いミステリーっぽかったです。
中島さんの”癖”のようなものに慣れれば読めるかも、と思っていますので次(自分のチョイス)に期待します。