平凡社
2016年2月 初版第1刷
591頁
『昭和史』の姉妹編
国民の目線から綴ったもうひとつの昭和史
国民はいかにして戦争になびいていったのか?
プロローグ 一週間しかなかった年
第一話 「大学は出たけれど」の時代
第二話 赤い夕日の曠野・満州
第三話 束の間の穏やかな日々
第四話 大いなる転回のとき
第五話 軍歌と万歳と旗の波
第六話 「対米英蘭戦争を決意」したとき
第七話 「撃ちてし止まむ」の雄叫び
第八話 鬼畜米英と神がかり
エピローグ 天皇放送のあとに
ところどころで挟まれるA面の話題が興味深かったです
B面に関しては、自分は全くリアルな体験が無いので「ふ~ん」といった感じ
面白いと思ったのは、第三話の中で語られる「東京音頭」に関しての話くらいでしょうか
完成したのは昭和8年
東京は勿論、日本中の盆踊りの櫓の上から流れたそうです
大いなる変動を漠然と予想しつつも民衆の大部分はそうしたものから凡そ遠い処に心を置こうとする
大部分の民衆にとってはこの住み難い不合理な社会がどうする事もできないからだという
社会的不安やら緊張をほぐすためにはお祭りがいちばん
それはいつの世でも変わらない
ヤットナー、ソレと踊って唄って、ゆえ知らぬ不安を忘れるしか術がなかった
国家はまたそれを利用することで人心を一つにまとめ、上手に挙国一致体制をつくっていく
日本が、国際連盟から脱退、満州国建設、日中戦争へと突き進む前夜
束の間の平穏に浮かれていたのですね
プロ野球、ヤクルトの応援歌を聞くたび、これらを思い出しそうです…
二度と戦争の惨劇を繰り返さないために、一般国民に出来ることは何か
よく考え努力することが大事なのです
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