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高田郁「今朝の春 みをつくし料理帖」

2020年11月06日 | た行の作家


ハルキ文庫
2010年9月 第1刷発行
2018年10月 第28刷発行
290頁

みをつくし料理帖シリーズ第4弾

花嫁御寮 ― ははきぎ飯
友待つ雪 ― 里の白雪
寒紅   ― ひょっとこ温寿司
今朝の春 ― 寒鰆の昆布締め

想いびと、小松原さまが御膳奉行・土圭の間の小野寺さまであることを知り、どうにもならぬ身分違いを知ってしまった澪
少しずつ明らかになっていくあさひ太夫こと野江の過去に心を痛める澪
ちょっと息抜きにつる家のお手伝い、おりょうの亭主・伊佐三の浮気疑惑
登龍楼との料理の競い合いをすることとなったつる家、献立も決まり準備に余念のない澪でしたが町で見た読売の内容に動揺し出刃包丁で左人差し指と中指の節を傷付けてしまいます
利き手ではないにしろ料理人にとっては大変な痛手です
さて、勝負の行方は?

本巻でも老婆・りうの言葉が澪の心に刺さります
勝ちたい、というのは即ち欲ですよ。欲を持つのは決して悪いことではないけれど、ひとを追い詰めて駄目にもします。勝ち負けは時の運。その運を決めるのは、たぶん、ひとではなく、神仏でしょう。神さま仏さまはよく見ておいでですよ。見返りを求めず、弛まず、一心に精進を重ねることです。

小松原の言葉も
勝つことのみに拘っていた者が敗れたなら、それまでの精進は当人にとっての無駄。ただ無心に精進を重ねて敗れたならば、その精進は己の糧となる。本来、精進はひとの糧となるものだが、欲がその本質を狂わせてしまうのだろう。

ははきぎ飯に登場した小松原=小野寺の母親のキャラが悪くないです
澪に向かい、はっきりと「身分違いゆえ縁組は認められないが、息子のひとを見る目の確かさを誇りに思う」とはあまりにご無体な言葉ですが当時はそれで当然だったのでしょうね
小松原さま、罪作りでございます!

またまた一気読みでした
早く第5弾が読みたいです



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