創元推理文庫
2020年6月 初版
解説・頭木弘樹 読んでいる間の胸の熱さをなんと説明したらいいのか…
376頁
ろう者の両親から生まれた聴こえる子、コーダである荒井尚人はろう者の日常生活のためのコミュニティ通訳や、法廷、警察での手話通訳に携わっています
場面緘黙症で話せない少年の手話が殺人事件の目撃証言として認められるかなど、荒井が関わる三つの事件を描いた連作集です
ろう者だけでなく場面緘黙症の少年を登場させたのも本作を面白くさせている一要因です
緘黙症については以前読んだ春日武彦「緘黙-五百頭病院特命ファイル-」から得た知識程度しか持ちませんが、そういった症状の人は案外身近に多くいるように思います
人の頭の中は難しいです
あちこちの高評価に興味惹かれて読んでみました
高評価作品は常に話半分で…が自分の読み方ですが本作は、序盤からグイグイ惹き込まれ、知らなかった世界について知ることができ、且つミステリーの面白さも堪能できました
前作「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」があるとのこと
近いうちに読みましょう
砥上さんもですが、読み応えのある作家さんに出会えて嬉しいです。
これも、「面白かった!」では無く「読んで良かった!」、そんな印象が残る作品でしたね。
http://todo23.g1.xrea.com/book/param.html?ttl=&auth=%E4%B8%B8%E5%B1%B1%E3%80%80%E6%AD%A3%E6%A8%B9&gnr=&evl=