
シャワー台の上に、春色のビーズをテグスで留めつけるだけの
技法的にはとっても簡単なリング。
でも、出来上がったリングのブーケは、ひとりひとりの作り手達の個性溢れるものでした。
そう。こういうシンプルな作品こそ、作った人の「意志」が感じられると思います。
レッスンにいらした皆さん。大地の栄養と水分を充分に吸い上げた
生き生きとしたお花がアレンジできましたでしょうか?
テグスの引き具合がアマいと、なんとなくしおれた草花のように見えます。
ビーズの出発点がバラバラだと、全体にまとまりがなくなる。
せっかくのビーズの素敵なところを引き出してあげるには、
自分が、そういう意志を持って制作に臨まないといけないんですね。
ひとつひとつの動作にも意味がある。
そして、何回も何回も失敗を繰り返しつつ、それを発見することこそ創作であり、
日々の生活なんだと思います。
自戒も込めて、改めてそんな事を考えた2月のレッスンでした。
【今日の一冊】
![]() | 手しおにかけた私の料理―辰巳芳子がつたえる母の味 辰巳 芳子 婦人之友社 1992-10 著者のお母様である、辰巳浜子さんの同タイトルの本が、母の本棚にずっとあったのですが、 先日NHKの再放送で、鎌倉で素敵に暮らし、お仕事を続けていらっしゃる、 娘の芳子さん(と言ってもすでに81歳!)の姿をお見かけし、改めて手にとってみました。 芳子さんは、「いのちのスープ」でもお馴染みの料理研究家ですが、「食」そして「料理」という 生きる上でとっても大切な事の背景から、人生哲学のようなものを教えてくれる方です。 例えば「じゃがいもを1センチに切りそろえる事」を徹底する意味は、じゃがいもが煮崩れて スープが濁ることを防ぐ事につながるわけで・・・。 ビーズを作ることにも共通点を沢山見つけたような気がします。 |