パチリズム!

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後手藤井システム9五歩・3二銀型への急戦 ~かまわず玉を囲う~

2012-06-24 19:44:46 | 四間飛車

 残念ながら見逃してしまったのですが、今朝のNHK杯では角道を閉じるノーマル四間飛車が登場したのだとか。美濃囲いでは無く穴熊にしたようなので、自分が興味を持っている形とは若干違うのですが、しばらく指されることが無かったノーマル四間飛車が少しずつ指され始めているのは嬉しいことです。

 

(1図)

 

 1図は後手藤井システム9五歩・3二銀型に▲3六歩と急戦を見せた局面。ここから後手は急戦を警戒して△6二玉とし、先手は▲3五歩△同歩▲4六銀と山田定跡風に仕掛けるのが普通です(2図)。

 

(2図)

 

 ここで後手には二通りの手段があります。一つは2図から△4五歩(3図)。どちらかといえば少数派ですが、最近では▲飯島△森内戦で現れました。結果は先手勝ちだったのですが、先手だった飯島先生も途中は自信が無かったというコメントを残されていて、有力な形であるようです。

 

(3図)

 

 もう一つは△3六歩とする手(4図)。歩を逃がしながら△3七歩成を狙っています。△3六歩に▲3五銀と出ると△3七歩成▲同桂△3六歩とする手がありますので、△3六歩▲2六飛△4五歩と進みます(5図)。

 

(4図)    (5図)

 

 5図からは単に▲3五銀と出る手や、▲5五銀、あるいは▲3三角成△同銀▲5五銀とする手が考えられますが、今回はオーソドックスに▲3三角成△同銀▲3五銀とする手を考えてみます(6図)。

 

(6図)

 

 ここで銀をさばこうと△4四銀とするのは▲同銀△同飛に▲3六飛が嫌味(7図)。黙って△7一玉とするくらいでしょう(8図)。

 

(7図)    (8図)

 

 ここで▲2四歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛は△3三角と打たれます(9図)。以下、▲2一飛成△2二飛▲同龍△同角というお馴染みの手順で飛車をさばかれ、▲6六角△同角▲同歩で先手不利(10図)。先手は一手溜めなければなりません。

 

(9図)    (10図)

 

 しかし8図で▲3六飛と歩を取ると、△2七角と打たれる手があります(11図)。▲3七飛ならば△4九角成と入って△3六歩を狙い、▲2六飛ならば△3八角成で△4四銀や△4六歩を狙う。▲3七飛△4九角成に▲1八角と打って(12図)、▲5九金から馬の捕獲を狙う手もありますので絶対に後手が良いとは言い切れませんが、先手は角の位置が不満なうえ玉も薄くなるので、先手が好んで指す変化ではないでしょう。

 

(11図)   (12図)

 

 結局、▲8八角と打つくらいのものだと思います。対して後手は△8二玉とかまわず玉を囲って大丈夫(13図)。以下、先手は▲2四歩△同歩▲同銀と仕掛けます(14図)。

 

(13図)   (14図)

 

 これに対して△同銀▲同飛△2二歩には▲3一銀としてどうか(15図)。少しそっぽな感じがする銀ですが、△4二銀成とするような手もあって、それほど遊ぶ銀でもないと思います。

 

(15図)

 

 15図でもそれほど後手が悪いとは思いませんが、一般的な山田定跡に比べて先手は4筋が薄いので、14図で△4四銀とかわしてみたいです(16図)。

 

(16図)

 

 ここで▲3五銀△同銀▲2一飛成とさばくのは△4六歩で右銀急戦の薄みを咎めている形ですので指しづらく、それ以外の手では銀がさばき辛いです。この局面は多少後手がいいように思います。

 

 長々と書いてきましたが、後手藤井システム9五歩・3二銀型に一直線に急戦を仕掛けるのは、やや先手に苦労が多いのかな、というのが今日の私の結論です。


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