ミエルの居心地のいい場所

乳がんが気付かせてくれた事【心地よい場所を沢山もっていればきっと大丈夫!】そんな場所を毎日探しています。只今バラに夢中☆

祖母の手

2006年03月31日 21時21分33秒 | 愛する人をなくしたあなたへ
私は3人姉弟の真ん中で、手のかからない子供だった。 泣く事もわめく事もしない、 無口で無表情のかわいげのない子だった。 母の手は病弱な弟にかかりっきりで、 主張をしない私は放っておいても大丈夫と、 思われていたのだろう。 優しさを見出せない、ぎすぎす痩せた母よりも、 ふくよかでどっしりした祖母が私の拠り所だった。 祖母の部屋は温かく、ゆったりとした時が流れていて、 いつでも、どんな時でも私を . . . 本文を読む

祝婚歌(しゅくこんか)

2006年03月30日 18時27分30秒 | 生きるということ
【 祝 婚 歌 】          吉 野 弘 二人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい 立派過ぎないほうがいい 立派過ぎることは 長持ちしないことだと 気づいているほうがいい 完璧をめざさないほうがいい 完璧なんて不自然なことだと うそぶいているほうがいい 二人のうち どちらかが ふざけているほうがいい ずっこけているほうがいい 互いに非難 . . . 本文を読む

かがり梅 (詩)

2006年03月29日 19時40分57秒 | (詩)
照らす灯りの無い闇に 自らの力で光りたつ 一本の白梅 暗闇の中にポッと灯る かがり火のように ゆくあての無い心を吸い寄せる 夜の間に間に 今宵の雨の訪れは 一段と梅の香りを際立たせ 芳しくむせかえる芳香が 彷徨う心を闇にとどめる 露の間に間に 月の光など無くとも 己の奥に潜む灯火に 命の炎を燃やし続け 周りを照らす木でありたい 白光の間に間に 雨 . . . 本文を読む

小笠原の風(6)玉手箱

2006年03月28日 21時42分35秒 | 小笠原の風
船の揺れ具合はどんどん大きくなり、 この旅で一番の揺れとなっています。 ビュッフェでコーヒーを飲もうとすると、 大きな揺れが来て、中身が飛び出して半分になったそうです。 そのうちうどんやラーメンなどの汁物の食事は販売中止となり、 風当たりの強い売店は閉鎖されました。 行きと同じく帰りの船室も、 天文台の助教授と2人になりました。 ほとんど寝てばかりいらっしゃったので、 主人は一人でテレビを見てい . . . 本文を読む

小笠原の風(5)おいしいもの

2006年03月27日 19時43分50秒 | 小笠原の風
結局、母島はどしゃ降りとなりました。 パンでお腹を満たした後、雲行きを見た主人は、 これは帰った方が無難と判断し、早々に宿に向かいました。 30分歩き、宿に着くと案の定雨が振り出しました。 『母島には野球と相撲を見に行ったようなものだ。』 帰宅した主人が母島の様子を語った一言ですが、 そう言い切ったとおり、部屋でゴロゴロとWBCの韓国戦と、 相撲中継で日が暮れたそうです。 夕食を済ませると、 . . . 本文を読む

小笠原の風(4)暗雲

2006年03月26日 17時01分46秒 | 小笠原の風
母島へは、父島から船で2時間。 しかしこれも海の状況は最悪でした。 船が小さい為、身体に感じる揺れは強烈でした。 船での生活が長い主人曰く、男性の場合トイレで用を足すには、 片手でバーに捕まっているのが常識だそうです。 主人がその通りにしていると、 隣に来た人は両手を離して準備しています。 危ないなーと思った瞬間、 船は大きく横に揺れ、その瞬間隣の人が主人の位置に! 『おっとっとー。』 なんと . . . 本文を読む

小笠原の風(3)大漁だ~

2006年03月25日 19時44分49秒 | 小笠原の風
翌朝ケンちゃんは朝食の後片付けを済ますと、 海の様子を見に行きました。 残念ながらその日の海上はシケたままで、 釣り舟も職漁船も欠航のようです。 しかしケンちゃんは、 『隊長、行きましょう!』 力強い言葉で主人1人の為に、 自分の船を出して下さったのです。 港を出たとたん、 イルカの大群に熱烈な歓迎を受けました。 船の後を一緒に着いてきて、 戯れている様子に大感激! もちろん海は荒れた状態、 . . . 本文を読む

小笠原の風(2)奇跡の出会い

2006年03月24日 21時36分18秒 | 小笠原の風
船室は2段ベットが2つある4人用個室。 本来なら雑魚寝の2等船室で行こうと思っていたのですが、 スポンサーの計らいで1等船室を用意してくれていました。 同室になった人は1人だけ。 国立天文台の助教授の方で、小笠原にある世界一の望遠鏡の、 システム調整に何度も訪れていらっしゃるそうで、 いつもは4人満室なのにこの日は珍しいとの事です。 夜空の専門家と出会った事で、 主人はずっと疑問に思っていたこ . . . 本文を読む

小笠原の風(1)序章

2006年03月23日 19時47分15秒 | 小笠原の風
小笠原へ行っていた主人が、 一昨日の夜遅くに鹿嶋に無事帰ってきました。 おかげさまで命の洗濯が出来たようで、 日焼けして文字通り一皮向けた顔は、 とてもすっきりと穏やかな表情になっていました。 行きも帰りも、竹芝桟橋では、 今回の旅をプレゼントして下さった元部下達が、 見送りと出迎えをして下さり、 (詳しくは【男の涙】参照) おみやげ話を一花咲かせ、上機嫌でバスに乗り込んだようです。 バス停に . . . 本文を読む

善良な心・【オリバーツイスト】を観て

2006年03月22日 19時12分03秒 | 感動の素
無垢な心を持った少年、オリバー・ツイスト。 憂いのある彼の瞳が今もなお、私の心に焼きついている。 3週間ほど前、急遽時間が空いたので、 私は映画館に行ってみることにした。 たまたまその日は映画の日、 毎月1日は格安で見られるので、 願っても無いチャンス。 しかも昨年末、車で30分の所に、 シネマコンプレックスが出来ていたので、 偵察するには、ちょうどいい機会だった。 通称【シネコン】は小さな . . . 本文を読む

春の海 (詩)

2006年03月21日 18時49分09秒 | (詩)
そよ吹く風が 口笛吹いて こっちにおいでと手招きをする 心地良い潮の音に手を引かれ 鳥達が集う あの場所へ 白い貝殻 カラカラと 波につられて 引き寄せられる 心地良い潮の音に誘われて 皆が集まる あの場所へ 白くきらめく 春の海 夢が集う 希望が集う 憧れが 舞い集う 春めいて そよ風 きらり輝く   ☆――――――――☆ 今日は海に行っ . . . 本文を読む

命のリズム (詩)

2006年03月20日 19時52分30秒 | (詩)
水音の中で 命を自在に操る精霊達 ウォーター・スピリッツ 空気の中から生まれ 天より舞い落ち 植物に命を注ぐ ウォーター・スピリッツ 命のリズムがほとばしる 火の粉の中で 命の炎を宿す精霊達 ファイヤー・スピリッツ 火花から生まれ 植物を灰にし 大地に命を還す ファイヤー・スピリッツ 命のリズムが燃えさかる 土の中で 命のパワーを司 . . . 本文を読む

感動の頂点 (詩)

2006年03月18日 19時15分09秒 | (詩)
カーブを曲がると 思いも寄らぬ景色が広がった 見たことの無い世界に 心臓が高鳴り 背筋が震えた 海の向こうに裾野まで写る富士の山 夕日に映えた 巨大なシルエットは 今までの価値観を覆すほどの 強烈で斬新な雄姿を誇っていた 壮大なスケールで存在する 自然の在りようは 人間を呑みこみ ひれ伏せさせ 言葉を奪う 感動が全身を走り抜け 魂に衝撃が鳴り響いた . . . 本文を読む

朝のシーン (詩)

2006年03月16日 17時54分07秒 | (詩)
沈みゆく月に背を向けて 今 私が待ち望むものは 登りくる朝陽 空が白く明けてきて それでもなお 月は最後の輝きを放ち続ける 黄金色の月として いよいよ色が抜けてきて 惜しみない拍手とともに 空の幕間に消えたとき 次なるステージが色めき立つ 雲の向こうは赤く染まり 今か今かと待ち受けるとき ひと筋の飛行機雲が場を盛り上げる ツーッと長引く雲の帯は 明るく . . . 本文を読む

月の気配 (詩)

2006年03月15日 18時51分50秒 | (詩)
夜更けのドライブ この道はどこまでも はるか遠くに続いている ときどき不安になるけれど ぼくの瞳の端っこに いつも気になる君がいる 明るい光りで ぼくを照らしてくれる いつもー いつもー 姿が見えないときでも うしろに君の気配を感じるよ 明るい気配 あたたかい気配さ だからぼくは進める この道をひたすらに ぼくのゆく道 君のいる道 あの角を曲 . . . 本文を読む