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人の間・時の間・空の間:B面

今日も 【 間 】 を縫って進もう、自分の港へ。

山笑ふ

2006-03-05 18:05:24 | 今日の俳句
「少年のこゑよくとほる春の山」 阿部 静雄

家に居るにはもったいないお天気だったので、
おにぎりを持って近くの円海山を歩いてきました。

うぐいすの声。
遠山にかかる霞。
芽吹き時のやわらかい山の色。

早春、闌春、晩春・・・移りゆく季節を細かく言い表す詞を持つ日本。
四季のあるこの国に生まれて本当によかったと思います。


越後を詠う俳人 阿部静雄さんについてはこちら。







音付きの思い出

2006-02-26 17:11:20 | 今日の俳句
「春の雨 紺屋機屋が斜向ひ」 阿部 静雄

生まれ故郷の小千谷はかつては“織物のまち”でした。
上品な光沢の小千谷紬、涼やかな小千谷縮・・・和服に関心のある方ならご存知かもしれませんね。

実家の近所にもむかし機屋(織物工場)があって、始終、機の音が聞こえていました。
今も、そこの風景は“音付き”で思い出すことができます。
もっともその機の音もパッタンパッタンの手織りではなく、機械織でしたけどね。


越後を詠う俳人 阿部静雄さんについてはこちら


豆まき

2006-02-04 07:41:40 | 今日の俳句
「竈にも猫にも撒いて年の豆」 阿部 静雄

我が家でも昨晩豆まきをしました。

子どもの頃、家の隅から順に鬼を追い込み「鬼は~外!」と雪の降る外に追い出した後、ふと「鬼はこの雪の中どこへ行くのだろう?」とちょっぴりしんみりした気持ちになったのを思い出しました。

この週末、大雪の新潟中越の鬼たちは山へ帰るのもさぞ大変でしょう。

新潟の雪の様子

越後を詠う俳人 阿部静雄さんについてはこちら。

お決まりの・・・

2006-01-25 21:08:17 | 今日の俳句
「雲行きの怪しくなりし歌留多かな」 阿部 静雄

お正月からの冬の時期は、
カルタやトランプをして遊ぶ機会も多いのではないでしょうか。

「だれか一緒に花札やろ~!」こんな掛け声から始まる楽しい遊びも、
いつの間にか真剣みを増し・・・最後は必ず勝った負けたで兄妹げんかが始まります。
お菓子なんかを賭けたら、それこそもう収拾がつきません。
「喧嘩するならやめなさい!」と怒鳴りながらも、
自分も小さい頃、勝負に負けそうになると“いぼって”(すねて)弟や従兄妹たちを困らせていた事を思い出します。

越後をうたう俳人 阿部静雄さんについては こちら。

幸せはほどほどがいい。

2006-01-24 10:56:03 | 今日の俳句
「ほどほどと云ふ人生や龍の玉」 阿部 静雄

勝ち組・時代の寵児 といわれたライ○ドアの堀○社長が逮捕されました。
わずか一週間の間に天国から地獄へ。

そもそも彼のいた場所が「天国」であったのかどうか・・・
女の子に囲まれ、美味しいものを食べ、今をときめく六○木ヒルズで暮らす・・・
幸せを“カタチ”でしか測れなくなった人生は、必ず哀れな結末を迎えるのだと改めて確信する今回の出来事でした。

庭の木々に消え残った雪が“まゆだま”のように可愛くきらめいていること、
朝食の卵の黄身がふたつ入っていたこと、
そんなことで、こころ心が幸せになれる感覚をずっと大切にしていきたいと思います。

越後をうたう俳人 阿部 静雄さんについては、こちら。



かまどねこ

2006-01-23 11:12:59 | 今日の俳句
「竈猫 心得顔で立ち去れり」 阿部 静雄

猫は暖かい場所を良く知っていて、我が家の老猫“ふく”も
朝はヒーターの上、日中は窓辺の日なた、夜は家人のひざの上・・・
とあったかさを求めて渡り歩くこのごろです。

座布団の上でピクリとも動かず丸くなっていても、
家人のヒソヒソ話に器用に耳だけ動かしたりもします。

水晶玉のような目でジッと見つめられたりすると、
何となく目をそらしたくなるのは何故なんでしょう?

雪の両面

2006-01-21 14:58:46 | 今日の俳句
「雪晴れや沖見るごとく見てをりぬ」 阿部 静雄

目覚めると独特の静けさと外の明るさ・・・
懐かしい感覚にカーテンを開けると、やっぱり雪でした。
横浜に雪が積もるのは本当に久しぶり。
ほんの5センチほどの雪でいつもの景色が違って見えます。

同じこの時にも日本の裏側では、
水平線のように広がる雪を前に途方にくれ、
3メートルを越す積雪と日夜戦っている人たちがいます。

横浜ではロマンティックな天からの白い贈り物・・・
かたや日本海側では抗いきれない苦難・・・

同じ雪も見る方向が違えば、まったく違った感じ方になります。

何においても「自分の感じ方がすべてではない」と思うようにしています。





1階まですっぽり

2005-12-27 13:57:32 | 今日の俳句
「雪掘って空が出てきし厨窓」 阿部 静雄

ふるさと新潟では20年ぶりの大雪です。
私が暮らしていた19年間のうちにも、
お正月前にこんな積雪があるのはちょっと記憶にないくらいです。

積雪の多い年は1階は完全に雪の底となり真っ暗。
2階の窓から出入りした記憶もあります。


雪掘りボランティアを募集しています。

雪おろし

2005-12-25 15:09:25 | 今日の俳句
「雪掘つてきれいな天を仰ぎけり」 阿部 静雄

こちら関東では降った雪の始末を「雪かき」などといいます。
雪国新潟では雪にまつわることばも様々。

「雪掘り・雪おろし
建物の倒壊を防ぐため屋根に降り積もった雪を投げ下ろすことです。
汗だくになって下ろし終え、雪に埋めておいたビールやみかんを食べる時の爽快感といったら!

「雪ふみ」
降り積もった雪を“かんじき”をはいて踏み固め道をつけることです。
除雪車の通る大きな道路まで、各家の玄関から何百メートルも雪ふみすることもあります。

「雪ながし」は屋根から下ろした雪を放水された流雪溝に流し始末をすること。
「雪喧嘩」 は雪の始末のことで近所で起こる諍いのこと。雪はどこの家にとっても深刻で重大な問題なのです。