人の間・時の間・空の間:B面

今日も 【 間 】 を縫って進もう、自分の港へ。

ひとりはみんなのために

2006-08-30 06:28:48 | 人の間:B面
ジョセフ・ジャウォースキーは著書の中で
「先駆的な物理学者J・S・ベルの定理を最も簡単に説明するため、ひとつの素粒子を考えてみよう。この素粒子をふたつに分割し、ひとつをニューヨーク、もうひとつをサンフランシスコに置くとする。この条件の下で、一方の粒子を回転させると、もうひとつの遠く離れた粒子もひとりでに回転し始めるだろう。」

・・・と何だか難解な話で始ってしまいましたが、
高校時代に物理で“3点”をとったことのある私には、難しいことは理解できません。
ただ・・・上記の文章には、とてつもない真理があるように思えるのです。

人間のいだく意思や想いは すべて繋がっていて、
時間や空間(距離)によって分離されるものではないと。
自分のためだけにやっているように思えることが、
実際には人類全体にも影響を及ぼしているのではないかと。

利己心ではなく、純粋な心で「人のために何かしたい。」と想っただけで、
どこかで同じ想いが生まれているような気がします。

ひとりは全体のために。
全体はひとりのために。


紐をたぐり寄せる

2006-08-26 06:33:59 | 空の間:B面
愛読書のひとつに
キャロル・アドリエンヌ著の「人生の意味」という本があります。
自分の行き先が不安になったり、
心が虚ろになったときには本棚から引っ張り出して読みます。

静かに座って読み進めるうちに不思議と
“うん!絶対だいじょーぶ!”と思えてくるのです。

その本の中には・・・
『起こる事すべてには理由がある』ということが書いてあります。
できごと、ヒトとの出会い、モノとの出会い、
そのすべては、良い悪いに関わらず
“自分自身にその時必要で、なおかつ受け入れる態勢が出来たからこそ現れる”と・・・
そして、それは自分の身体から伸びた“人生の目的”という紐の先端に繋がっていると・・・

いま自分に・・・起きる出来事、出会う人、手にする品物、
それらに意味を見出し、そのすべてを大切にしたいと思っています。




終戦記念日に思うこと

2006-08-15 09:33:33 | 時の間:B面
61回目の終戦記念日を迎えました。

今の日本は戦争前によく似ているという人がいます。
すでに危険な方向に走り始めていると言う人もいます。
戦争は周期的に繰り返される仕組みになっていると言う人さえいます。

難しい分析や、この国の行方を見極めることなど私には到底できません。

今、自分に出来ることは・・・
実際に戦争を体験した人の話に耳を傾け、
その話に自分自身、自分の家族を重ねること。
“他人の不幸な過去”として聞くのではなく
“自分自身のシミュレーションの材料”として聞くのです。

私は、自分の息子を兵隊になんかとられたくない。
もしもそんな日が来たら、
私は彼の腕を切り落としてでも徴兵を逃れさせるでしょう。
息子を死なせたくない。
人を殺してほしくない。

ひとりひとりが、そうやって「もしも自分や家族なら」
ということを辛くても考えない限り、
必ず戦争は繰り返されるような気がします。

国の行方を決めたのは「エライ人たち」であっても
実際に傷つき、死に、戦ったのは、
私たち庶民であったことを忘れてはいけません。

再び戦争になれば、戦うのは目の前にいる夫であり、息子です。


帰りたいなぁ

2006-08-14 09:54:41 | 今日の俳句
「盆太鼓山に当たつて戻りけり」 阿部 静雄


今年のお盆は、
横浜でバラけた用事があって帰省できそうにありません。

今晩14日は盆踊り・・・行きたいなぁ・・・帰りたいなぁ

小さい頃、母の生まれた村の盆踊りに毎年行っていました。
田んぼの中を点々とちょうちんが灯り、
不動寺の小さな広場の真ん中には盆櫓。
露店もイベントも、なぁ~んにも無かったけど楽しかったなぁ。

夏休みのいろんな場面を思い出す・・・

マクワウリのあっさりした甘さ!
茄子漬けの鮮やかさとみずみずしさ!
百日草やケイトウの田舎っぽい色!
“ブト”にくわれて腫れたこと!
従兄妹と盛り上がったヘビ花火!

数えだしたらキリがない・・・
懐かしいなぁ。



阿部静雄さんについてはこちら。









故郷のある幸せ

2006-08-11 05:47:05 | 今日の俳句
「凭りかかる柱のありし帰省かな」 阿部 静雄


帰省の時期になりました。
ラッシュに巻き込まれ、心身ともに疲れるのが分かっていながら、
それでも皆、故郷へ帰ります。
お墓参り?両親の顔を見に?
理由は人それぞれでしょうが、やはり故郷へ帰るのは心落ち着くものです。

中越地震で、帰る家や村そのものを失くした友人も多い中、
生まれた家の佇まいや、懐かしい景色を失わずに済んだ私は幸せです。
本当に感謝しなければなりません。

新潟県によると、2006年6月30日現在の仮設住宅の入居世帯数は2132世帯(6805人)。

















やっぱり冷奴

2006-08-05 00:32:04 | 今日の俳句
「冷奴越後は水の濃く匂ひ」 阿部 静雄


梅雨明けしたと思ったら、連日の猛暑
脳ミソが溶けてしまいそうな毎日です。

食事の献立も決まったものしか思い浮かびません。
そうめん・冷し中華・茄子の煮浸し・冷奴・酢の物・・・
できるだけコンロの前に立つのが短くて済むようなものばかりデスネ。

それにしても、以前から不思議だったのは
豆腐やさんに『越後屋』という名前が多い気がするのですが、どうしてでしょう?
どなたかご存知だったら教えてください。



越後を詠う俳人 阿部静雄さんについてはこちら。