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人の間・時の間・空の間:B面

今日も 【 間 】 を縫って進もう、自分の港へ。

花の雲

2007-03-31 07:02:22 | 今日の俳句
「老人の右往左往や花の昼」  阿部 静雄


この週末は、どこもお花見で賑わうことでしょう。


それにしても山が美しい。
なんともいえない春の色。
グレイッシュな緑、茶、黄、そして桜色。

桜が咲き満ちて雲のように見えることを『花の雲』といいますが、
桜を遠く離れて見るのも美しいものです。

せんべ釣り

2007-01-15 00:50:42 | 今日の俳句
「駐在の顔も見えてるどんど焼」  阿部静雄


小正月は母の実家があった山あいの集落で過ごすのが恒例でした。
どんど焼の炎で、棒に刺したお餅やするめを焼いたり、
御幣(おんべ)を追いかけて雪原を走ったりしたのを懐かしく思い出します。
夜になると、いとこ達と“せんべ釣り”に興じます。
ごくごく薄いせんべいを何十枚も重ねたものに、糸をつけた木綿針を投げつけ、
糸の先をソ~ッと引っ張って何枚重ねて釣れるかを競うものです。
いま考えると、ちょっと危ない遊びですが楽しかったなぁ!

「おめがた、はや寝るだ!」(お前たち早く寝なさい)と叱られながら、
延々とせんべ釣りやボン(花札)に夢中になった楽しい時間が忘れられません。
優しい色と甘さの あのせんべいは今も売っているのかなぁ?


越後を詠う俳人 阿部静雄さんについてはこちらから。

年とり

2006-12-31 17:23:22 | 今日の俳句
「煤払い 猫が居場所をなくしをり」 木の実


家中の大掃除も終わり、
のっぺ汁・黒豆・岩石玉子・紅白なます・お煮しめ・きんとん・豚の角煮
と、おせち料理を一通り作り終えました。

さぁ、早々と玄関の鍵を閉め、
お風呂に入って1年のよごれを洗い流し「年とり」をはじめましょう。

我が家の「年とり」は新潟式。
まず神棚に「おせち」をあげ、一人ひとりが一年の御礼を申し上げます。
そして、家長のひとことの後、
めいめい膳の「おせち」を今晩31日にいただきます。

この形式は新潟を離れて以降も、ずっと守っています。

“終わりよければ、すべてよし!”っということで・・・
みなさま、一年間ありがとうございました。

よい年末年始をお迎えください。

秋の楽しみ、焚き火

2006-11-11 21:24:13 | 今日の俳句
「夕まぐれ膝で折りては萩を焚く」  阿部 静雄


子どもの頃、秋の楽しみといえば焚き火でした。
枯草や落ち葉を片付け、冬支度に忙しい大人の傍らで、
木の棒で火のあっちを突っつき、こっちを突っつき、
杉っぱを一度にくべてボーッと大きく燃やしたり
プラスチックのおもちゃの破片なんかをコッソリいれたり、
サツマイモを奥のほうに仕込んで焼きイモをつくったり・・・楽しかったなぁ。
とにかく“燃える火”というのは見ていて飽きませんでした。

煙の立ちのぼる秋の風情“焚き火”も今ではめっきり見られなくなりました。
ちょっとでも何か燃やせば、すぐに消防に注意されてしまう世の中、味気ないなぁ。
本物の火を見る機会がなければ、火の怖さも分からないと思うのですが・・・


越後を詠う俳人 阿部静雄さんについてはこちら。

秋の夕日はつるべ落し

2006-10-15 17:58:58 | 今日の俳句
「干蒲団 叩いて日暮れ早めけり」  阿部 静雄


田舎の我が家では、バルコニーなどという洒落たものがなかったので、
蒲団を屋根まで持ち上げ、ときどき秋の陽に干していました。
すかさず、私と弟はマンが本とお菓子を持って屋根にあがり、
お日様のにおいのする蒲団でゴロゴロと休日を過ごしたものです。

そのうちマンガに飽きると、
屋根から見渡せる景色の中に柿の木が何本あるかを数え始めます。
すっかり葉の落ちた木に生る柿の実の夕陽色を、今でも鮮明に覚えています。


越後を詠う俳人 阿部静雄さんについてはこちら。

干した稲の匂い

2006-09-27 07:10:51 | 今日の俳句
「稲掛けの声の行つたり来たりかな」  阿部静雄


故郷は実りの季節。

小学生のころ、この時期になると10月1日の開校記念マラソンに向けて、
町の中をマラソン練習させられたのを思い出します。
道路の脇の“はざ木”に干した、
むせるような稲の匂いを胸いっぱいに吸い込みながら・・・

マラソンかぁ・・・
苦しくて、苦しくて「次の電信柱まで走ったら休もう」と、
そのことばかり考えて、気がつけば毎回最後まで走りぬいていた気がします。

目の前の目標だけを見て、とりあえず突っ走る性格はこの時からかもしれません。



阿部静雄さんいついてはこちら。■今年もひこばえ展開催します。

帰りたいなぁ

2006-08-14 09:54:41 | 今日の俳句
「盆太鼓山に当たつて戻りけり」 阿部 静雄


今年のお盆は、
横浜でバラけた用事があって帰省できそうにありません。

今晩14日は盆踊り・・・行きたいなぁ・・・帰りたいなぁ

小さい頃、母の生まれた村の盆踊りに毎年行っていました。
田んぼの中を点々とちょうちんが灯り、
不動寺の小さな広場の真ん中には盆櫓。
露店もイベントも、なぁ~んにも無かったけど楽しかったなぁ。

夏休みのいろんな場面を思い出す・・・

マクワウリのあっさりした甘さ!
茄子漬けの鮮やかさとみずみずしさ!
百日草やケイトウの田舎っぽい色!
“ブト”にくわれて腫れたこと!
従兄妹と盛り上がったヘビ花火!

数えだしたらキリがない・・・
懐かしいなぁ。



阿部静雄さんについてはこちら。









故郷のある幸せ

2006-08-11 05:47:05 | 今日の俳句
「凭りかかる柱のありし帰省かな」 阿部 静雄


帰省の時期になりました。
ラッシュに巻き込まれ、心身ともに疲れるのが分かっていながら、
それでも皆、故郷へ帰ります。
お墓参り?両親の顔を見に?
理由は人それぞれでしょうが、やはり故郷へ帰るのは心落ち着くものです。

中越地震で、帰る家や村そのものを失くした友人も多い中、
生まれた家の佇まいや、懐かしい景色を失わずに済んだ私は幸せです。
本当に感謝しなければなりません。

新潟県によると、2006年6月30日現在の仮設住宅の入居世帯数は2132世帯(6805人)。